ロシアンルーレット

敗 者 復 活 戦

 

31.

 かは、かは!
 ミコの喉の奥から、空気が外へ出ようとしている。しかし、巨木を深くねじ込まれたミコの口腔内には隙間が無く、窒息への秒読みが始まろうとしていた。

 久しぶりの男性器。めいっぱい頬張るミコの嬉しそうな表情。それと同時に訪れる、酸素不足からくる痙攣。目の輝きは失い、今にも失神してしまいそうだ。だが、その意識をかろうじて引き止めているのが、男根を深く打ち込まれている女としての悦びだった。

 それにしても、でかい。これまでにないくらい膨張している。咥えているミコだけでなく、持ち主である真也でさへも、自分で自分のモノの大きさに驚いた。
 真也のそれは、ミコの口の中で、その密着した内壁によって、さらに大きくなれ、大きくなれと引っ張り上げられるように刺激され続けている。
 真也は、今にも白目を剥いてひっくりかえりそうになりながら、必死になって咥えているミコに気がついた。
 真也はさらにサディスティックな気持ちになった。真也は腰を振った。

 かは! ぐふ!
 ミコの喉の奥は苦しそうに呻く。でも、ミコは決して吐き出そうとはしなかった。
 いかにモノが大きくても、一部の隙もなく口の中を埋めてしまえるはずが無い。形が違うのだ。隙間というのが必ず有るはずである。ミコはその隙間を出たり入ったりするわずかな空気で、かろうじて窒息は免れていた。しかし、絶大な異物によって、むせるのは避けられない。
 それでも、吐き出そうとはしないのだ。

 いとおしむような圧迫感と、ねっとりと絡みつく粘着感が、真也を快感の虜にする。
 かは! けほ!
 口から自分自身を出し、ミコを開放してやるのは簡単である。しかしこの途方もない快感から逃れることはできなかった。このままずっとミコの中にいたいとさえ思う。
 ミコの内壁はまるで絡みつく粘液だ。擦過による快感は確かにあるのだが、空間など生まれようもないくらいに絡み付いてくる。
 本来、そのための場所ではない所に鉄芯を撃ち込まれながらも、しかも窒息の一歩手前の苦しい状態が継続しているにもかかわらず、ミコは真也が快感に酔いしれているのを熟知していた。真也が快感を味わえば味わうほど、自分には苦痛が押し寄せてくる。でも、そのことがまた快感でもあった。

 無理も無いかもしれない。真也にはミコと離れている間も、祥子という相手がいた。
 性欲を満たし合うには十分なパートナーだった。
 恋愛感情とは異なるものだったかもしれないが、確かに心も通じていた。
 だが、一方、ミコは……。
 もちろんセックスの相手は真也しかいない。

 深い性欲にとらわれることもあったろう。しかし、ミコにとっては真也だけなのである。何度身悶えに耐える夜を過ごしたことだろうか。
 それなら、行き着くところまで!
 真也はミコの喉の奥に思いっきり自身を突き立てた。
 音にならないくぐもった音が、ミコの中から噴出してくる。ほとんど酸素を吸っていないミコの、顔色はどんどんどす黒く変色していく。苦しげに見開かれた瞳は、その上の端にかすかに黒い部分が見えているが、もちろんミコの視界にはもはや何者も映っていないだろう。
 そんな状態なのに、表情だけは喜びに満ち溢れ、蜜の溢れかえった窪みには、ミコ自らの手が出し入れされていた。

「気持ち、いいのかい?」
 真也の問いかけに、ガクガクと首を振るわせる。本人は頷いているつもりなのだろう。
 口腔内壁はますます真也に張り付き、真也本体を切なく激しく求めている。求めれば求めるほど、真也が得る快感も大きくなってゆく。
 カリに歯が引っかかるまで真也は大きく腰を引いた。
 そして、今度は喉の奥まで打ち付ける。

 真也が受ける強烈な快感と、ミコの痙攣がシンクロして、二人の身体はまるで高圧電流が駆け抜けたみたいに響き合う。その痺れはすさまじいまでの快感となって、真也を虜にした。もう、ミコの身を案じる余裕など微塵もなくなっている。
 真也は腰を引いては打ち、打っては引きを繰り返した。何度も何度も繰り返した。無意識なのかもしれないが、ミコはその間もずっと自分の一番敏感なところを弄んでいる。じゅるじゅると音を立てるほどにジュースがしたたり続けていた。

 真也が我に返ったとき、ミコは動かなくなっていた。アソコに添えられたミコ自身の右手も制止している。腰を振っても口腔内に粘着しなくなった。
 真也はマジでヤバイと思い、肉棒をミコの口の中から引き抜こうとした。やはりカリに歯が当たる。しかし、ミコに意識がないので、それ以上口を開こうとはしない。
 指を添えてみたが、かすかに動く程度で、モノが抜けるほどではない。
 粘着を失ったために、口の中に隙間ができた。ミコの呼吸が再開されたらしく、空気の出入りがある。やれやれ。とりあえず一安心だ。真也は腰に力を貯めて、一気にモノを引き抜いた。
 デリケートな部分をガリガリと削り取るように歯が通過してゆく。膨張しきった真也にとっては、これすらも絶世の快感だった。
「うお〜〜っ!」
 思わず叫ばずにはいられなかったほどである。

 ミコはというと、真也が口からペニスを引き抜いたせいで真也との接点を失ったためか、上体を支えておくものがなくなった。ふっと後ろ向けに倒れそうになる。真也は首の下をそっと支えて、ミコをゆっくりと横たわらせてやった。
 ミコはかすかに泡を吹きながら、それでも「入れて……、早く入れて……」と呟いた。
「欲しいの?」
 真也が耳元で優しく語り掛けると、「欲しいの。真也のが欲しいの」と応じる。

 真也は仰向けに横たわるミコの上にそっと身体を重ねた。左手を床について自らの体重を支えながら、右手でミコの蜜壷に触れる。
 ぐしゅ。
 濡れている、などというものじゃない。ミコ自らが溢れさせて汁で穴の中が満たされている。しかも、入口はタップリと開いていた。フェラチオで真也のサイズを測り、それに合わせてヴァギナが開花したかのようだ。
 先端部分を花弁に添えると、真也のモノはすっと飲み込まれていった。

「あ……、うん」
 小さく、そして可愛らしく、ミコが声を漏らす。
 そして、下半身では真也のモノに優しく絡み付いてくる。
 ゆっくりと腰を推し進める真也。タップリと湧き出した潤滑油で挿入はスムーズだ。巨大化した真也の男芯は、十分に開いているはずのミコをさらに押し開きながら奥へと突き進む。せっかく開いたのに、真也を絡めとろうとミコのアソコは再び収縮を始めていた。
「くぅん……、あん」

 酸素不足でほとんど闇に閉ざされる寸前だったミコも、酸素をたっぷりと得て、感覚を蘇らせつつあった。しかもそれは、愛する人のいとしい物体を、もっとも自分の感じるところへ挿入される感覚だ。
 生まれて初めて外界と接触した赤ん坊が、初めて得るものが、性的快感だったらどうなるだろう? 今のミコがまさしくそれであった。
「ん、んん〜、あ……」
 次第にミコの喘ぎ声が艶を帯びてくる。
 真也のピストンも徐々にスピードがアップする。
「気持ちいい。気持ちいいわ……」
「俺も。……ミコの中、熱くてざわめいてる……」
「ああ、真也あ。やっと会えたのね。……真也が中にいるのね」
「そうだよ。いま、ミコの中にいるよ」

 お互いの触感を確かめ合うように、ひとつひとつの動きを全身で感じ取りながら、丁寧に真也は腰を振った。その速度は前後動を繰り返すたびに少しずつ速くなってゆく。それに合わせてミコの声も、可愛らしさに妖艶さが加わる。
 ぐちゅりぐちゅりと結合部が音を立てるけれど、もはや真也とミコにとってそれは特別な音ではない。ごくごく当たり前のように2人の耳に届く。

 恋人の肌に触れるのは、真也にとってもミコにとっても、久しぶりだったが、それは慣れ親しんだ懐かしい味わいから、徐々にフレッシュで鮮烈な快感となって、全身を駆け巡り始めた。
 繰り返される腰の動き。
 単調なようで、複雑。多くの経験を通じて得た女の悦ばせ方を、真也は無意識のうちに実践していた。

 引いては突き入れるその動作の中には、その都度ごとに違うわずかな力加減があり、時折狂ったような強烈な打ちが混じった。左右動や回転、小刻みな揺れ、モノそのものの振動なども加わって、ミコはもう夢中だ。
「うああ〜、……あ! あ! あ! ああ〜!!」
 常に何らかの声が出てる。その中に、「もっともっと〜!」だの「気持いいの〜。気持ちいいの〜」だの、本能のままに燃え上がる身体にさらに油を注いで欲しいとの懇願が混じる。
 もちろん真也もそれに応じる。

 2人は何度も上下を入れ替わった。
 ミコが上になると、彼女は真也の肩を両手で押さえ込んで動きを制して、もっぱら自分の腰の動きだけで結合部を刺激した。
 これが真也にはたまらなかった。
「ああ、ミコ……。ミコ……。気持ちいいよ。とても気持いい。もっと、もっと動いて!」
「あ、あたしも。あたしも。とっても気持ちいいの。アソコが、熱いの。とっても熱いの〜!」

 ミコは上に載ったまま、身体を反転させた。それまで正対していた真也とミコたが、ミコが真也に背を向けたのである。これはとりもなおさず、「バックから攻めて」の意思表示だった。
 真也は上半身を起こし、ミコの背中を乱暴に突く。前のめりになって両手をつくミコ。ふたりの性器がミシリと音を立てる。だが、がっちりと食い込んだそれは、この程度のことでは離れない。真也は最大限に大きくなっているし、ミコは何もかも搾り取ろうとしているのかと思えるほど締め付けていた。

 バックになって、真也の突きはますます激しくなる。
 欲望のままに真也は力任せに男根を叩き込む。
 もはや真也に、ミコを快感でトロケさせてあげようなどいう意識は無い。
 ヴァギナを破壊せんばかりの勢いで、本能のままに突きまくる。
 真也の長大なモノは軽く子宮口に届き、そのままミコの内臓を押し上げる。身体の中心部をひっかきまわされるような感覚に、ミコは悲鳴を上げ続けた。
 それは悲鳴であると同時に、歓喜の雄たけびでもあった。
「あ〜あ〜あ〜あ〜!!」

 一気に抜いて、一気に突く。同時に真也は、ミコの腰に添えた手に力を込め、ミコの身体をグイと引き寄せた。

 ぶしゅあああ。
 それまで穴の中に満ちていたふたりのジュースが、一気に噴出する。
 これを何度も繰り返す。
「あ〜、もうダメ、もうダメ、もうダメ〜〜」
 ぶしゅあああ。ぶしゃあああ。ぶしゃああ。
 一突きごとに、ミコは潮を吹いていたのかもしれない。真也だって、持物の大きさに比例するように、多くの先走り液を振りまいていた。お互いの性器がフル稼働しているのだ。

 ぶしゅあああ。ぶしゃああ。ぶちゅあああ。
「イクイク〜、いっちゃうよお〜」
「さっさと逝ってしまえ。何度でもイカせてやるから」
「うああ〜。あ〜あ〜あ〜あ〜、イクイクイクイク〜〜〜!!」

 床についていたミコの手を取り、真也はミコを自分の身体の方に引き寄せた。これでミコは、腰を起点にして、上半身は床と平行に浮いた形になる。その体重は真也に手をひっぱられることで支えている。まるで自由の利かない体勢だ。
 そして真也は腰ばかりでなく、ミコの取った手をも小刻みに震わせて、彼女の全身に振動を与えた。同時に真也の本体もヒクヒクと波立たせる。
 真也自身による全身バイブに、ミコは何度も小さく逝った。
「いやあ〜。イクイクイク〜。あ、また、イク、いっちゃうの〜。ああ〜。うあう〜、やめて、やめて、もうダメ、もうだめ。あ、また、い、イクウ〜〜」
 ミコがどんな台詞を発しようと真也は容赦がない。
 腰をグラインドしながら、真也の全身バイブは続いた。

 再び正常位となった2人。真也はまだ決定的な射精に至っていないが、少しずつ漏れ始めていることに気付いていた。真也はかなりのところまで射精をコントロールできる。暴発感が限界に至っても、小さな射精を繰り返すことによって、さらに時間を延長できる。
 そこに含まれる精液は、先走り液などとは比較にならないくらい濃い。本番の精液と同等のものだ。小出しにして限界を調節することで、挿入とピストンを永らえる術である。

 従ってそれは、最後の本格的な射精を膣外に放出して妊娠の可能性を低くするやり方とは根本的に違っていた。生で挿入されているけれど、外で出してくれたから、まずまず安心。女性にそう思わせておきながら、実は既に何度も中で出しているという、女を欺くテクニックである。同時に、いつまでも快感を維持し続ける、そのためだけの手法だった。

 いや、女体の方も実はわかっているはずである。「中で出されていない」と脳は理解していても、身体の方はそれが男のエキスそのものであることを感じ取っている。そして、そのことによって、「あなた自身をもっと大量に流し込んで欲しい」と細胞は願うようになる。これは肉体の本能だ。
 やがてそれは理性を凌駕し、女の口から「いや、抜かないで。中で出して。お願い!」と言わせることになる。

 真也は最終的に外で出そうなどとはもはや思っていない。
 中でブチまけてやる!
 全てはそのための序曲なのだ。

「ああ〜。イク、イク、イク〜〜! いやあ〜!! ……またイッちやうよお〜」
 甘ったるくも激しい声を出し、ミコの腰が前後に動く。
 ミコの盛り上がりにあわせて、真也はこれまでより多めに小出し射精をした。
 感覚が素晴らしく俊敏になったミコの性器は、バッチリそれを感じ取って、強烈な締め付けと共にミコを全身に導いた。
「はあ、はあ、はあ……。また、イッちゃった。もう、わけわかんない」
 ミコはわずかのインターバルもおかず、再び腰をグラインドさせる。
「もっと、もっと欲しい。もっと感じさせて。真也も、もうイッて」
「まだまだ足りないよ」
「いや。真也もイッて。あたしの中で、沢山出して。ちゃんと、いっぱい、お願い……」

 ついにミコの口から、中出しのリクエストだ。

 だが、もっとも愛しいと思う女性に対して「まだまだこの程度では終わらせないぞ」と真也は思う。キスもろくにしないまま、長らく合えなかった感情をぶつけあい、フェラにインサートと行為を続けた。ろくに愛撫もしていない。
 真也は上半身を起こしてミコの両足を自分の肩の上に持ち上げて載せ、両手が自由になると、掌を乳房に添えてやんわりと揉んだ。
「ひ! くっ!」
 ミコがのけぞって苦悶の声を上げる。

 本格的に昇天した直後のミコは、まがいも無い全身性感帯状態である。最初の頃は一度イクとなかなか再度の上昇へ至らなかったミコだが、真也の連続攻撃に慣れるにつれ、「先には先がある」ことを覚えずにはいられなかった。イケばイクほど深くなる。到達点のない快感に恐怖を覚える時期もあったが、それを乗り越えると、奈落の底へ自ら望むようになったのである。
 真也は乳首にあまり触れないように気をつけながら、乳房からわき腹へと、触れるか触れないかのかすかな接触を楽しみながら、掌を移動させた。
 その都度ミコは、至りそうで至れない焦れったさに身悶えする。

 もっと、もっと!

 動きづらい下半身を必死で動かし、挿入したままのアソコを締め、真也の下腹部に触れたクリトリスに精一杯の刺激を与える。快感の虜になったミコの乳首を、真也はキュッとつまむ。ねじる。指の先で押さえつける。

 それ! それよ!

 ミコは欲しいところに欲しい感覚を与えられ、ホッとしたように身体の力を抜く。でも、それはほんのつかの間。真也は意地悪にもすぐにその場から指を離し、また本命で無い場所に掌や指を這わせる。
「あ、はあ〜、んんん〜〜。いやあ〜!」
 たまらず叫ぶミコ。
「いやなの?」
「いやじゃない! いやじゃないのぉ〜! もっと、もっとしてえ〜〜」
 ミコの肌の赤味がどんどん増してくる。

 真也はラストスパートをかけることにした。
 腰を深く差し込み、子宮口を押し上げた状態で、これまでにはないスピードでどんどん突いた。
 強弱をつけるとか、回転を与えるなどという小細工はもうしない。
 欲望の赴くままにミコの奥深くから刺激を吸い取った。
 ミコも腰を振る。
 抜き差しのタイミングが徐々に合って来て、2人のリズムが共感してゆく。
 抜ける寸前まで腰を引き、内臓の深くまで押しつぶしてしまうほど突き上げる。

 なんて甘美なんだろう。

 膣とペニスの長さを端から端まで感じさせるほどのピストンが、2人の競演で短時間に繰り返される。脳みそがとろけてしまうほどの快感。寝ているのか立っているのかすらわからなくなるほどの恍惚感。引いて押す度に、ミコの中のジュースが股間の周囲に撒き散らされる。
 腰を戻してミコの中に空間が生まれると、そこはあっという間に次の潮で満たされる。
 張り付いてははがれる2人の性器は、いよいよ最後の瞬間を迎えた。

「ああ、一緒にイケそうだね」
「うん。真也」
「ぶちまけるよ。いい?」
「来て。思いっきり、出して」
「ほら、こんなに大きくなってるよ。ミコのせいだ」
「あたしのも。こんなに真也を締め付けてる」
「気持ちいいよ。最高だ」
「あたしも」
「さあ、出すよ」
「あたしも、イク……」

 真也は自分のモノが波打つのがわかった。どうしようもない衝動派が深いところから湧き上がり、先端部分にいったん滞った後、イッキに射出。
「あ!」
 固形物とは異なった圧迫感がミコの中心部に押し出される。 「ああ!」
 第2波がミコの中で花開く。
「く! うあっ!」

 硬くて太いものが深いところで暴れまわるのも気持ちいいが、真也のエキスの塊がさらに押し寄せてくると、ミコはいよいよ快感と言う名の奥底に足をそっと下ろすことが出来た。
「ああ〜〜、うあああ〜〜〜。イクイクイク〜〜。もう、わけわかんな〜い」
 膣が痙攣して、真也の中身を搾り取ってゆく。
 それがあまりにも気持ちよく、出し尽くしたはずの真也が、再度発射の準備を整える。
 それはあっという間の出来事。
 もう何回目かわからない射精なのに、いささかの衰えもなく、真也はミコにありったけの勢いで精液を注ぎ込んだ。

 はあ、はあ、はあ……。
 真也は布団の上に大の字に横たわっている。
 ストーブが効いた部屋とはいえ、冬のスキー場に建つ、新しいとはいえない建物。暖房効率は良くない。しかし、全身が炎の塊となった直後である。真也の火照りはまだまだ収まりそうに無かった。

 立ち上がったミコは、ヴァギナから太腿へと伝うラブエキスを拭おうともせず、真也の横に座った。
 じっと真也の顔を覗き込むミコ。
「何?」と、真也。
「うふふ」と、意味ありげに笑うミコ。
「真也のことだもの。まだ、足らないでしょ?」
「いや、別に、そんなこと……ん……」
 ミコは真也にキスをする。そのまま舌を差し込んで、絡めあう。
 右手は真也のペニスを、左手は乳首をいじる。
「ほら、まだ、こんなに硬い……」
 唇から首筋、胸、下腹部……。ミコの唇と舌は這い、やがてはペニスへ。
 ミコは今度は真也のモノを咥えようとはせず、そのかわりに、先端部分から根元まで、丁寧に舌先で愛撫を始めた。
「く、う」
 若干鈍感になっているとはいえ、いくつかの感じるスポットをミコは外さない。
 けれど、長時間は続けない。焦らしているのだ。

 吸い付きながら玉袋を通過したミコの唇は、やがて蟻の戸渡りを何度か往復した後、真也のお尻をペロリと舐めた。
「あ、うう……」
 思わず声を出す真也。
「やっぱり、男の子も感じるのね。勉強したとおりだわ」
「う、かは! 勉強って……、あう」
「タップリ感じさせてあげる」
 穴をツンツンと突付いたかと思うと、周囲を含めてペロリと舐め上げる。
「あたし以外の女じゃ、もう満足できないようにしてあげるから」
 夜明けが近いと言うのに、2回戦は始まったばかりである。

 

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