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 風俗での体験は大学の頃から何度かあったんですが、マジで彼女と言える間柄での女の子との初体験は遅くて、29歳になってからです。 
 それまで俺は女の子に全然もてなくて、もしかしたら一生風俗以外でのエッチは無理で、結婚もできないだろうと諦めていました。
  
 ところが29歳の夏に俺の職場に、18歳で高校を出たばかりの女の子がバイトに来ることになったんです。 
 前日上司から「明日からバイトの子が来る、お前の配送車に乗せるから仕事を教えてやってくれ」と命令されました。 
 風俗や飲み屋の女の子意外とまともに話したこともない、まして18歳の女の子なんてどう扱ったらいいかわからなかったし、話なんて合うわけもない、同じ車に2人きりで無言のままだったらと思うと憂鬱でした。
  
 ところが当日来た子は俺がイメージしてた子とはまるで違っていて、今どきの女の子と言う感じでもないし、それ以前に髪はショートでノーメーク、胸も小さい。顔は女なのだが、もしかしたら女っぽい顔をした男なんじゃないの、と思ったほどだ。
  
 いよいよ車に同乗して出発、前日気にしてた「お互い無言のままで重い空気が流れたら嫌だな」という心配は30分ほどで吹っ飛んだ。 
 なぜなら彼女は絶え間なくしゃべったからだ、しかもウザい感じではなく楽しくなる会話をしてくる、そうやって1日目が終わった。
  
 2日目以降も同じ、ただし一緒に話していて楽しいのだが、俺自身その女の子を彼女にしたいとかそういった気持ちは全くなく、楽しく会話できる女の子と言う程度だった、心の中で11歳も年上の男を恋愛対象として相手にするわけがないと思っていた面もあった。
  
 そんな日が何日か続きいよいよ週末になった。 
 夕方仕事も終わり営業所に帰る車の中で、彼女が「今日終わったら一緒にご飯食べようよ」と言ってきた。まだその時は彼女に対して恋愛感情はなかったが、女の子から誘われて悪い気はしないし、友達一緒に飯を食うという感覚でOKした。
  
 彼女は家庭の事情があって、実家から離れた俺の会社に比較的近いところにアパートを借りて1人暮らしをしてた。 
 免許も持ってなく自転車で会社に来てた、俺の勤める会社をバイト先に選んだのも近かったからだろう。
  
 彼女はバイトなので会社に帰ればバイトは終了、一方俺は伝票整理や会議などがあるのですぐには帰れない。 
 アパートの場所は彼女の方から教えてくれて、俺が仕事が終わったら会社に停めてある俺のマイカーで迎えに行くことになった。
  
「何が食べたい?」と聞くと「友達から聞いたおいしいラーメン屋さんがあるから、そこに行きたい」と言うので彼女に案内されてそのラーメン屋に行くこととなった。 
 店を出て車に乗ったのはまだ7時前、全くやましい気持ちとかはなかったがこのまま帰るのもつまらない、そこで「ドライブしようか」と言うと彼女は「やったー」と本気で嬉しそうに答えた。
  
 いろいろ話しながら車を走らせた、別に目的地はなかったのだが気が付いたら海に向かって走ってた。
  
 とある海岸の駐車場に止めて車を降りた、真夏だったのでまだ少し明るい、防波堤に2人並んで腰を下ろした。
  
 彼女はいつものように楽しい会話をしていたのだが、そのうち聞いてもないのに自分の過去のことを話しだした。 
 中学時代に男っぽいと言っていじめられたこと、高校時代の彼氏に浮気されて一方的に別れさせられたこと。とにかくいつもの明るい彼女とは様子が違っていた。 
 俺もほとんど無言でなんとなく空気が重い感じだった。
  
 辺りは完全に暗くなっていたので「帰ろうか」と促し車に乗った。 
 車に乗ってスタートさせても2人は無言のままだった。そのうち彼女が突然「ゆうやさんから見たら私みたいな女の子は子供に見える?」と聞いてきた。
  
 なぜそんなことを聞くのかわからなくて正直に「なんでそんなことを聞くの」と反対に聞くと「私みたい性格だと男の人って恋愛対象には見れないのかなと思って……」と言った。
  
 今になって冷静に考えれば彼女は俺にコクろうとしていたわけだが、鈍い俺はそんなことには全く気付かずただ「恋愛対象って? 誰か好きな人いるの?」とマヌケなことを聞いた。 
 いつもの明るい感じからは想像できないくらいしおらしい感じで「ゆうやさん」と言った。
  
 突然のことで頭がパニックになり1オクターブ高い声で「オレ?」と素っ頓狂な声を上げたらしい。らしい、というのは後で彼女から聞いたからである。
  
 運転していられるほど冷静じゃなくなったので、とにかく近くにあった空き地に車を止めた。 
「俺のことが好きってこと?」 
「よくわからないけど、たぶん好き……。でもゆうやさんに彼女いるかどうかも知らないし、私のことを恋愛対象として見れないのだとしたら……」 
「付き合ってる彼女なんていないし、○○ちゃんのことは嫌いじゃない、嫌いだったら一緒にドライブなんてしないよ」 
 さらに「正直に言うよ、今まで恋愛対象じゃなかったのは事実、でも無意識のうちに○○ちゃんを恋愛対象にしてなかったのかも、○○ちゃんに振られた時にショックだからだと思う。でも今告白されてすごく嬉しい、俺でいいなら」
  
「私も同じ、怖かった、でも今日一緒にいてどうしても気持ちを伝えたくなった、ごめんね突然で」 
「謝るなよ、悪いことしてないだろ」 
 そんな感じの会話だったと思う、とにかく俺達は付き合うこととなった。 
(ロマンス&ラブトーク掲示板より 2012年11月13日)
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 一編の物語を読んでいるような気分になりました。きっと、続きがあるんでしょうけれど、力作過ぎて、力尽きたってところでしょうか。ぜひ、続きを読んでみたいところです。
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