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 彼女のリードで腰を慎重に下げたとき、僕のものは、信じられないほどなめらかに、彼女の中にさし込まれた。 
 生まれて初めての挿入があっけないほど簡単だったのは、彼女が適切な位置にうまく導いてくれたおかげでもあるし、彼女の体が豊富なセックスの経験で、男のものを受け入れやすいように、じゅうぶんなじんでいたせいもあったと思う。 
 とにかくこのときあまりにもなめらかに、すっと入ってしまったので、僕はなんのためらいもなく、最初から深々と挿入してしまった。 
 彼女の膣がゆるかったというわけじゃない。たしかに奥の方は思っていたほど窮屈じゃないと感じたけれど、付け根のあたりをキュッと心地よく締めつける感じは刺激的すぎて、そのままの姿勢で歯を食いしばってがまんしたものの、津波のような快感が背中のあたりに襲いかかってくるのをおさえきれずに、「うっ!」と喉を鳴らした僕は、一往復のピストン運動もできないまま、あっけなく射精してしまった。 
「ごめん、出ちゃった」 
 僕は彼女に謝った。彼女はとても色っぽい笑顔で僕を見つめて、「いいよ」と小さな声で言った。 
「ごめん、ほんとに」と、もう一度言ったとき、涙が急にあふれてきた。 
「どうしたの?」と、彼女に聞かれても、「うれしかった」としか僕には答えられない。 
 熱い涙が止まらなかった。 
 生まれて初めてのセックスに心から感動したせいもある。初めてのセックスの相手が心から愛した人だった喜びもある。でも本心は少しちがった。
  
 僕は西賀内智子が好きだった。ほかの男とちがい、僕は彼女の「心」を何より愛したつもりだった。 
 それなのに、僕は欲望に負け、彼女の体を選んでしまった。 
 そんな自分に嫌悪感を抱いていたのだ。 
 一方で、彼女は若いし魅力的だし、僕のプラトニックな「愛」なんてものをまともにぶつけても、彼女には重すぎることも知っていた。相手を知るには、まずセックスをする。それが彼女のやり方だとしたら、結局、僕は愛する彼女の希望に合わせただけとも言えるのだ。 
 でも、セックスがこんなに下手な男では、彼女はこれ以上つきあってはくれないんじゃないか? 
 初めてのセックスが、僕には途方もなく感動的だっただけに、彼女の前で未熟な姿をさらしてしまったのはつらかった。それも涙の理由だった。
  
 それでも彼女はやさしかった。自分とのセックスに感動して泣いている男が、とてもいとおしく思えたのかもしれない。 
 頼んでもいないのにコンドームをはずしてくれて、「2つつけたのね」と、小声で同情するように言った。 
 はずしたコンドームから精液が漏れないように根元をちゃんとしばって捨てるあたりにも、彼女の経験があらわれていたが、ティッシュで僕のものを念入りに拭いたあと、自然に僕のものを口に含んだときには、おどろいた。
  
 僕は仮性包茎だった。すっかり萎えて包茎になり、さやに入った豆のようになったものを、彼女に見られるだけでも恥ずかしかったのに、彼女の小さいなめらかな手にコンドームをはがされ、すっかりあらわになったものをティッシュで念入りに拭かれてしまったのだ。 
 僕はうれしい気持ちと恥辱感で、頬が燃え上がるような感じがしたが、救いだったのは、彼女が包茎をぜんぜん気にしなかったことだ。 
 僕のだらしなく萎えたものの包皮を付け根の方へ引っぱって、亀頭を完全に露出させ、首の下の隙間の部分に残った精液まで拭いてくれたのだから、包茎を知らないはずはなかった。
  
「包茎でしょ?」 
 僕が恥ずかしそうに言うと、「子供みたいで、かわいいから、わたしは好き」と言って、とてもいとおしそうになでてくれたのには感動したし、また、彼女がそうしてくれるあいだ、首から下がった小さなネックレスと、ういういしい乳房の揺れが色っぽくて、僕は思わず見とれていた。 
 そんなとき、彼女はだしぬけに前かがみになって、その愛らしい唇の中に、僕の萎えたものを、パクッとくわえてしまったのだ。 
「あっ!」 
 頭の中で恥ずかしさとおどろきが爆発し、僕は思わず声を上げた。 
 そんな激しい恥辱感を、彼女のテクニックが忘れさせてくれた。舌先で僕の先端の尿道をこちょこちょとつつき、棒の下側の感じやすい部分も、見逃さずになめて刺激する。くわえたままでブルブルと頭を左右にふる。そのあいだ、彼女のほっそりした指が、僕の陰嚢をやさしくもてあそびながら、袋の裏側を指でなぞったりして刺激するのだ。 
 裸の彼女がふくよかなお尻を突き出すように背中を丸めて、あお向けに横たわる僕の股間にしゃぶりついているのを眺めながら、そのしなやかな髪が、僕の腹やみぞおちにかかっているのを感じるだけでも刺激的なのに、その上、こんなに上手にもてあそばれるのだから、たまらなかった。たちまち僕のものは再起して、彼女の口の中に射精した。 
 それをきれいに飲んだ彼女は、僕の股間から顔を起こし、満足した? とでも言いたげに、ほほえんだ。・・・
  
 その夜、彼女は僕の部屋に泊まることにして、翌朝まで2人とも服を着ない協定を結んだ。 
 2人でいっしょにシャワーを浴びて、体をすみずみまで洗いっこし、夕食を作るときも、食べるとき裸だった。 
 それから深夜まで延々と「愛のレッスン」に没頭した。
  
 彼女はセックスに関する僕の素朴な疑問と興味に、なんでもすなおに答えてくれた。女の体の構造、性感帯の場所と刺激の仕方、上手なキスの方法、そしてクンニのやり方も・・・。 
 実地訓練を兼ねたセックスを4回重ねて、女の体と、セックスの基礎をひととおり学んだところで、この日のレッスンを修了すると、せまいベッドに裸で抱き合い、眠りにつくまで、僕は彼女のセックスの経験や、男に対する本音を聞いた。そこまで心を開いてくれた彼女のすなおさに、僕はいままで彼女に感じていたのとちがう意味で人柄の良さを感じた。あらためて、彼女のことがいとおしくなった。
  
 そうして僕らは土曜の午後まで、文字通りの「裸のつきあい」を続けた。 
 彼女が去る前に「最後にもう一度する?」と誘われ、喜んで応じた8回目のセックスになると、僕もだいぶ上達し、彼女に挿入したあとも慣れた腰つきでピストン運動をつづけ、あだっぽい彼女のあえぎ声をたっぷりと聞けるほどになっていた。
  
 彼女が自分のバッグに着替えの下着を入れていたのは、僕を徹夜で看病するつもりだったからなのに、それがこんなことになるなんて、と24時間ぶりに服を着ながら言ったので、僕は夕べの彼女の下着を記念にほしいと頼んだ。 
 彼女は、え? と一瞬おどろいた顔をしたが、昨夜のできごとが、僕にとって生涯忘れられない思い出になったことに、あらためて気がついたのだと思う。
  
 その後も彼女は何度か僕の部屋に泊まりにきて、「服を着ない協定」による有意義で刺激的な夜を過ごしたが、3箱のコンドームをちょうど使い切ったあたりから、仲が疎遠になってしまった。 
 僕は体の関係から一歩進んだ心の交際をのぞんでいたが、彼女には僕の愛が重荷だったのだろうと思う。 
 サークルも辞め、大学を卒業してからは、彼女と会うこともなくなったが、最近になって、彼女が結婚したという話を噂で聞いた。 
 今夜は久しぶりに、タンスの奥にしのばせていた、ピンクのギンガムチェックの可愛いパンティーとブラジャーを取り出して、初体験のあの日を思い出しながら、彼女の幸せを祈って、オナニーをしようと思う。 
(男の子の初体験掲示板より 2002/07/29)
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 思い出に浸りながらタップリオナニーしてください。それにしても、すごい文章量。お疲れ様でした。これだけ書くのは大変だったでしょうね。ところで、思い出に浸るのもいいですが、彼女はいるの? いないのなら、早く作らなきゃ。
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