女装趣味と男装趣味(2)  by C6H6 その2





 








 あはは……、初体験の方を早く聞かせた方がいいですよね。
 サークルで合宿というか、著名な作品の舞台をたどるという名目で旅行に出かけるんです。その年は伊豆でしたね、踊り子の。
 合宿中にやりました、なんて危ない橋は渡っていません。私は実家通いなので、夏休み1泊2日の合宿の帰り、友達の家に泊まると言っておきます。
 サナ君は女の子に見えるので、『ここが友達の家で〜す』と写メールを送ればノープロブレム(笑)つまり、合宿が終わった後にやっちゃおうって話なんです。

 合宿前は、『やろうよ』と私が言えば『ま、まぁ……気分によっては』っていう感じで彼の方が引っ込み気味で……どっちが男じゃい!! みたいな(笑)
 趣味の関係か精神的な力関係は私の方が完全に上でしたね。

 でも、私自身出来るかどうか不安でしたね。だって、初めてじゃどのように話しかけて始めるかなんてわからないじゃないですか。それに、結局切っ掛けが無いから出来そうな雰囲気も流れてきましたし……。

 そんなわけでタイミングを決めるのが難しいならば、彼に決めてもらえばいいじゃないってことで、相手が銭湯へ行こうってことになったら戦闘開始!!
「お風呂はいらなくって大丈夫?」
 そう、夏休みに合宿という事は、今は夏という事。流石にこんな見た目でも女ですから、そこら辺は気遣ってもらわなくっちゃ。
 さらに午前中は歩きまわって伊豆めぐり。汗だって掻きます。だから、こんなセリフをサナ君が言うのはある程度当然なんですよ。

「あ、確かに入らなきゃだけど……ちょっと待って……」
 とりあえずですね、私はこの時に備えて買っておいたものがあります。それは勿論、コンドームなのですがその他にウェットティッシュですね。それこそ、介護に使うための結構でかいやつ。

「ちょっとこっち座って」
 床に座らせました。アパートの床は半分以上が畳なので、畳に染みが出来るのはいただけませんが、最初っから染みが出来るようなことなないのでそこら辺はご愛きょう。
 座ったサナ君を押し倒しましたとも。何故かうちのサークルは握力計が置いてあるので、計ってみたことがあるのですが、力はサナ君の方がずっと強いのですよね。
 そこら辺はやっぱり男の子だなぁ……なんですけれど、どんなに強い力でも使わなければただの飾りで、面白いように私の押し倒しに対して抵抗しないのですよね。

 私だって、逆強姦だなんだと言われるのは嫌ですので、サナ君が嫌がったらやめるつもりでした。でも、サナ君嫌がらないのですよね。
「はは、僕で……いいの?」
 なんて、ものすごい緊張した顔が可愛かったですよ。顎の前で指なんか組んじゃって縮こまっていて小動物みたいで。

「俺はいいと思うけれどな」
 って、私の素の喋り方がこんな感じです。いきなりこのシーンから始めれば小説で言う、叙述トリックになりそうな(笑)
 といってもこれじゃ、やおい系ですかね、男同士の性交の小説に見える。

 まあ、口では↑のように平然を装っていますけれど、胸を触らなくっても脈が分かる状態でしたね。緊張で。
 しっかしまぁ、服を脱がすことってものすごい緊張というかなんというか……呼吸がまともにできなかったですよ。押し倒してすぐにやることじゃないと思いますけれど。
 あれだけ可愛いサナ君だと、股間に毛の一本も生えていない可愛いちんちんを想像したいですけれど、悲しいかな。大人になれば否が応なく生えるのですよね……陰毛。剃ってやりたかったけれど、『銭湯に行けなくなるから勘弁して』だそうです(笑)

 ま、そんなことはどうでもいいですか。私の不意打ちで始まったわけで、性的興奮を覚えたとしてもまだ始まったばかり。当然のこと、まだ小さいわけで……バッグから取り出したウェットティッシュは日中も使ったのですが、ここで本懐に。

 汗ばんだサナ君の体を拭いて、さっぱりさせて……それで以って性交に臨もうと言う訳です。特に股間は脇と並んで汗のかきやすいところなので念入りに……念入りにやると、当然大きくくなっています。
 放っておいて、私の体とサナ君のちんちんが触れあうように体をのせてささやかな刺激を彼の体へ送ってあげることにします。

 とりあえず、キスをして舌を絡めた方が盛り上がりますからね。
 私はは首を近づけて、サナ君にのしかかりながら彼の半開きの口に舌を突きいれる様に口付けをしました。サナ君は一瞬口を塞がれた事に驚き、息を詰まらせ喉の奥で「ムグゥ」と声を出していたのがまた可愛らしくって。

 で、心の中で――これが……サナ君の味……?――なんて、思っていましたね。
 暖かい舌の触れ合う部分から伝わるサナ君の体温が脳漿から溶かす勢いでしたね。でも、理性を司るのは大脳新皮質だった気がするから、多分そこら辺溶かされていました。
 開いたまま硬直した顎の間に私の舌が進入し、眠ったように固くなっているサナ君の舌をもみほぐすように撫ぜました。

 そんな私の積極的な攻撃によって、絶え間なく舌から伝わる熱や触覚刺激で、サナ君の舌も徐々に目覚めて活動を開始して、前歯に触れるときの感触がまたよかったですねぇ。
 鼻で呼吸しながらずっとやってましたけれど、そんなことしているうちに下半身はむくむく大きくなっていて、舐めるのにちょうどよさそうな大きさなので……口を離したらバクッっといっちゃいました。もちろん少しくらい会話は挟んでますけれどね。

 サナ君、私から話しかけないと何も答えなくって……しかも『自分でやるのと俺どっちが気持ちいい?』とか、聞いてもたら『よく分からないけれどいいです……』
 俺の方が年下なのに丁寧語使わない、そこ!! みたいな。

 小説書くための参考にしたいからって感想を求めたら、『熱い』って表現がぴったりなんだって。きちんと質問に答えられるあたり、生意気にもまだ余裕があるんですよ。

 で、畳のことなんですが一応その問題については玄関近くがフローリングになっているので、そこに移動してノープロブレムです。
 汚れたらそれくらいウェットティッシュになんとかさせます。ってかさせました。もちろん、私の体もウェットティッシュで拭きましたよ。

 手コキやらフェラやらを駆使していると、さすがにそのうち気持ちよくなってくるらしく、そろそろ口離してって言われましたね。もうすぐ出ちゃうってことなんでしょうから、一応口離しました。
 まだ、イってはいないのですが、サナ君のは物足りなげにびくびくいっていて、私の体に触れるようにそれを感じるのはかなり興奮しましたね。棒が割れ目に触れるだけなんですけれど……いや、人間の精神力はかなり肉体にも影響するってことなんでしょうね。

 私は裏方メインとはいえ短編小説とかをサブ活動として書いている以上、もしかしたら『気持ちの問題』というのが平均より強いのかもしれません。だって、やっている最中も文章がガンガン浮かんでくるので(笑)
 でも、小説仕立てはこのサイトではあまり見受けられないので自重しておきま〜す。

 今まで半脱ぎだったサナ君のズボンも完全に脱ぎ捨てさせて、でも上半身はそう言えばどっちも着てましたね。サナ君胸には興味なくって胸を揉むっていう発想そのものが無かったみたいです。
 で、私の方も彼を受け入れる準備しなきゃなりませんからね。とりあえず呼吸を落ち着けさせて、ビンビンだったサナ君のが半勃ちくらいになるまで待った後、サナ君のを自慰用のディルド代わりに自分の割れ目をこすったりなんかしちゃったりなんか……私、積極的にも程がありますね。

 相も変わらずサナ君は私が話しかけないと何も言ってくれなくって、しかも動かなくって……今はやりの草食系って言うんですかね。
 それで、初めてだからよく分からないけれど、私の方ももうそろそろ大丈夫かなってくらいに濡れてきたので、騎乗位のまま入れてみようかなってことになったんです。もちろんコンドームは付けますが。
 で、ここで彼がようやく積極的に発言したけれどその発言が『アホかお前!』でしたね。

 まずは、正常位にするわけです。そして、私の前歯に人差し指を挟みました。なぁにこれぇ?

「痛いと口を食いしばるでしょ? 何か……アサちゃんだけが痛いって思うの不公平な気がするから……」
 初心そうな顔して、このサイトと同じようなもの見ているんでしょうね。女性が痛いって言うのをよく分かっていらっしゃる。
 確かに私だけ痛いのは不公平だけれど、その分男より女の方が気持ちいいって言うから、気にする必要なんてないのに、どうしてこの男はこうまでアホなんだか。
 嬉しかったですけれどね。でも、きちんと面と向かって『アホかお前!』は言ってやりましたよ。こう言ってあげるのは最早義務でしょう。

 その後はまぁ……普通だったかな。段々気持ちよくなって痛みもなくなって、コンドームつけていたから普通に私の中で果てて……。そう言う事はこのサイトにあふれるほどあるのでどうでもいいですよね?
 私はまだ不満だったけれど、一回出しただけでものすごくヘタッているサナ君見たらなんだか続きやろうって言えなかった^^;
 ここのサイトに2回も3回もやったって人がいるけれど信じられないね。

 その後、普通のカップルとして歩きながら銭湯へ向かって、正しい性別の方へ向かって行った時の周囲の反応を二人で愉しみましたよ。おっちょこちょいなカップルかと思いきや、異性への仮装趣味のあるカップルってことで、ガン見されました。
 サナ君はカツラを外す瞬間が様になっているので、見ている人は驚いたでしょうねぇ……。

 まだ付き合ってから10日ほどですが、私たちがデートを頻繁にするようになったら二人同時にトイレや更衣室に行くことが癖になってしまいそうです(笑)
 だって、みんなの反応が楽しいんですもの。

 なんにせよですね、処女を失った時の『アホかお前!』は一生の思い出です。
(女の子の初体験告白掲示板より 2009年8月16日 )

 
 いやもう、存分に楽しませてもらいました。流れるような筆致に思わず身を乗り出してしまいます。さすがに文章を書きなれていらっしゃる。言動の合間にご本人の心理描写も上手に挿入されてらっしゃいますし。改行も適切だし、改行のあとにちゃんと一文字あける、三点リーダーは二つ重ねるなどなど、基本的なルールも問題なし。おまけに、一般的な文章作法にはない、「空白行を一行あける」という手法は、実はWEBに横書き文章を掲載する上では、とても読みやすい画面にしてくれるんで、僕も好んで意識的に使っています。それより何より、読んでいて楽しい! 読者を意識した文章構成をしていく、というのが身についているんでしょうね。もっと読みたいなあ。また投稿してくださいね。え? 文章の評価だけでなく、エッチに関するコメントをよこせって? じゃあそれは、次の投稿をいただいたときに。

 
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