語り部は由美
大学2年生 純愛(2)





 太田は髭を蓄えてはいなかった。しかし、朝、髭をそってそれっきりなのだろう。ぱっと見た目はわからないけれど、髭は時間とともに同じペースで伸びるのだ。敏感な部分に顔を寄せられて、わたしのアソコがちくちくと刺激された。
「あん、あふう・・・」
 わたしはただの女だ。そう実感した。
 恥ずかしいところを責められ、息を吹きかけられ、舌を這いずりまわされるだけで、興奮曲線がぐんぐんと上昇してしまう。
 直也に出会って、もう無茶苦茶なことはよそう、彼一人と愛を暖めよう、そう決心したのに、性器に触れられるととたんにぐらぐらと崩れていってしまう。好きでもない男なのに、求められることが嬉しくって仕方ない。

 走る戦慄にアソコをひくひく震わせながら、わたしはさっき、「わたしはただの女だ」と感じたことを、否定した。ただの女なら、きっとこんなことにはならない。感じても、我慢する。理性が引き止める。「好きでもない人とするなんて」と。そもそも最初から感じたりしないのかもしれない。
 けれど、わたしは男のいやらしい視線や、下心だけでも感じてしまう。喜びが溢れてくる。わたしのような女が大勢いることは承知している。けれど、そうでない女だってたくさんいる。きっと、そっちの方が普通の女なのだ。
 求められれば嬉しいし、触られれば感じもする。それがわかっていながら、愛する人だけに身体を開く。きっとそれが普通なのだ。
 ああ、どうしてわたしはこんな女になってしまったんだろう。
 遊びと割り切って色々な男とセックスしているだけなら、まだいい。直也だけにしておこう、そう決心してさえ、求められれば応じてしまう。どうして?
 答えは簡単だった。気持ちいいからだ。ワクワクドキドキするからだ。どこの何者かわからない男と、セックスするだけのためにセックスする。
 思えば恋人とのセックスはわずらわしい。色々なことをつい考えてしまうし、没頭できないこともある。けど、その場限りのセックスなら、ストレートに快感に向かって走ることが出来る。無条件に身体を開くことが出来る。その心地よさはわたしの全身に染み付いていて、もう消すことは出来ない。

 太田に身を任せたままになっているわたし。いつの間にかソファーに仰向けにされていた。片方の足はソファーから床に落ちている。もう片方の足はソファーの背もたれの上に載せられている。アソコ丸出し。
 パンティーは引きずりおろされている。床に垂れた足の足首にひっかかっているのがわかる。
 シャツを捲り上げられて、胸を鷲づかみにされている。
 もう一方の太田の手は、わたしのヴァギナに挿入されている。指先の指紋が膣壁にこすり付けられるたびに、わたしは熱い息を漏らしていた。
 天井の灯りが揺れていた。地震かと思ったけれど、そうではない。身体がぴくんぴくんと反応しているのだ。
「敏感なんですね」と、太田が言った。
「いやなんです。本当はこんなこといやなんです」
「何がイヤなのです? 身体は素直に反応してますよ」
 膣の中の太田の2本の指は、互い違いに曲がったり伸びたりしている。2本一緒に動かされるのと比べて、倍のペースで快感が溢れてくる。
「あ、いや、いやああ」
「気持ちがいいのに『いや』だなんて言うのは、幼い女性だけですよ。あなたほどの人なら、『もっと』と言わなくてはいけませんね」
「う、あ、んん、ダ、ダメです。本当にいやなんです」
 喘ぎ声を必死にこらえて、わたしは太田に訴える。
「わたし、彼氏がいます。だから・・・」
「私にも妻がいます。これは別に浮気ではありません。セックスを楽しむだけです」
 3本目の指が挿入された。
 ぐぐうーっと奥に滑り込んでくる。
「あ、あう!」
 わたしは小さな悲鳴をあげざるを得なかった。太田は指を3本だけ入れるつもりなどなかったのだ。指をまっすぐに伸ばし、くっつけた状態。じゃんけんの「パー」を指を開かずに出した形。それをそのままわたしの中に突き刺してきたのだ。
 小指も、親指も、ヴァギナへ…
「ああ、素晴らしい。あなたのマンコはいくらでも開く。でもユルユルじゃない。ピッタリと張り付いてくる。最高です。ママさんが『今度の子は相当使い込んでるらしいわよ』と推薦してくれた事だけありますね」

 ズドン、ズドンと子宮口に重圧がかかる。ものすごいスピードで男の手がわたしの中を行ったり来たりする。わたしの子宮を突き上げているのは、男の人差し指だろうか、中指だろうか。遠くへ行きそうな意識の中でそんなことを考える。
 飛び散りそうな感覚を引き止めるのは、乱暴な子宮口への突き上げだ。お腹のなかが壊れるんじゃないかと思う。
 わたしの身体のなかをぐちゃぐちゃにしてゆく太田。それがまたこのうえなく気持ちいい。
 電流が走り、血が逆流する。
 ああ、直也、直也…
 ごめんね、ごめんね。こんなことになって。
 でも、拒めない。
 あなたがちゃんと引き止めてくれていたら。
 夜はバイトなんか行かずに、二人でエッチしようよって、言ってくれていたら。きっとこんなことにはならなかっただろう。
 ああ、わたしは何を考えているのかしら。彼はわたしと旅行に行く費用をためるためにバイトしているのに。彼だけにバイトさせたら悪いと思ってわたしも夜の水商売をしているのに。
 なのに、なぜ?
 どうしてわたしは、直也のせいにしてしまうの?
 どうして、またわたしは男に抱かれているの?

 太田の手の動きはますます速くなっていった。こんなスピードで、しかも継続して、ピストンを続けられる男の人をわたしは知らない。パワフルすぎる。子宮口への刺激がなかったら、わたしはとっくに失神していただろう。けれど、重い痛みを与えられる事で、わたしは意識を失う事が出来ないでいる。何度もイッてしまっているほどの快感があるのに、痛みのために快感から現実へ引き戻される。だが、それもそう長くは続きそうにない。乱暴な手の出し入れが、どんどん気持ちよくなっていくのだ。
 男が指摘したように、わたしの膣壁は挿入された異物に執拗に絡み付こうとする。名器だと言われる。たくさんの男達と何度も何度も交わるうちに、貪欲に快感をむさぼろうと、わたしの身体はこんな風になってしまった。望んだ名器じゃない。けれど、男はわたしの絞まり具合喜び、またわたしをこのうえない淫乱だと判断する。
 そうして男達の責めは激しくなる。
 だから、わたしは淫乱だと思われることがずっと嬉しかった。
 けれど、今は…

 やっぱり、嬉しい。

 どうしようもないのだろうか?
 この人だけと決めた恋人がいるのに。

 そして、わたしの出した結論は、「どうしようもない」だった。
 求められたら、もう拒否できない。求められた瞬間に、わたしは濡れ、開いている。
 このまま、走るしかない。
 わたしの身体はわたしそのものだ。否定できない。しちゃいけないとも思う。この快感はわたしの生んだ快感。めいっぱい受け止める。

 こんなわたしでも、男の手のスピードにわたしの膣がついていかない。男が「抜き」から再び「挿入」へと変化する瞬間、わたしの膣壁はまだ「抜かれる」男の手を捕らえようと必死に外側へ向かって波打っている。にも関わらず、男は「挿入」してくる。激しい逆流が倍の摩擦を生み、わたしは狂おしく声を漏らす。
 
「あ、あ、あ、すごい。とけていく…」
「本当にすごいね。ここまでされて出血しなかった女は初めてだよ」
 そうか、普通はこんなにされたら血がでるのか。そうだろうな。普通の女なら痛みのために快感など消えうせ、ヴァギナはきっと乾ききってしまうだろう。潤滑剤を失った性器は摩擦で傷つく。
「わたし、普通じゃないですから」
 思わず口走ってしまった。セックスが好きで、やりまくっていることを告白したようなものだ。このようなことを言えば男を喜ばせるに決まっている。ますます太田を調子ずかせるだけだ。わかっていて、そんな台詞が口をついて出る。いくら頭の中で「直也1人にしたい」と思っていても、そんなの実は本気じゃなかったんだと自分で証明してしまった。
「うん、普通じゃないね。ママさんの女を見る目はそれなりに確かで、これまでもたくさんの普通でない女の子を紹介してもらいましたよ。けれど、ここまで普通じゃないのは、本当に初めてです。楽しいなあ」
 正真正銘の淫乱、と指摘されたようで、わたしは喜びに打ち震えた。
 ああ、やっぱりわたしは男に嬲りモノにされることに限りない幸せを感じるのだ。
 それにしても、この男だって普通じゃない。いいかげん疲れてもよさそうなものなのに、ちっとも手の動きが止まらない。わたしはスーツの下に、鍛えぬかれた筋肉があるのだろうなと思った。早く男の裸が見たいと思った。
 もしかしたら太田も、わたしが受身から攻めに転ずるのを待っているのかもしれない。
 
 そう思った瞬間だった。わたしは激しく嗚咽した。鳩尾を殴られたのとも違う、今まで味わった事のない苦しさが、下腹部に爆発のように起こり、全身に広がっていったのだ。
「おお、入った。入ったよ」
 太田が嬉しそうに言った。手の動きは止まった。
 じわーっと全身を蹂躙する痛みはひかず、苦しさと嘔吐感は継続していた。わたしは目を開いた。
 太田の顔は悦びに満ち溢れていた。
「入った、入ったなあ」と、繰り返している。
 わたしは首を起こして、自分の開ききった股間に目をやった。わたしのアソコには手首まで男の腕が挿入されていた。
「げえ」
 まさか、こんなことになっているとは。
 男はゆっくりと手を抜いた。ズボオっという音が聞こえるような、恐ろしい光景だった。男の手が完全にわたしの中から外に出ると、おびただしい量の粘液が糸を引いた。ジュースに混じってピンク色のものがあった。それが血なのか、わたしの肉体の一部なのかは判断がつかなかった。
 太田はわたしに考える暇を与えず、再び拳骨をわたしの股間に叩き込んだのだ。
 そっと押し込むのでも、無理やりねじこむのでもない。
 パンチである。
 わたしは悲鳴をあげた。
 同時に、わたしのアソコは歓喜をあげた。想像を絶する勢いで硬く太いものが打ち込まれる。腰から下がガクガクとひきつったように震えた。痙攣がわたしを襲ったのだった。血が沸騰した。目は見開いていたはずだが、急に視界がなくなった。どうやら白目を剥いたらしい。気を失ったりはしなかったけれど、わたしの意識はもう現実とリンクしてはいなかった。
 何度も何度も子宮に打ち込まれるストレートパンチに、のどの奥がすっぱくなった。

 太田の責めはいつ終わったのだろう。わたしは自分が息をしていない事に気が付いた。その時、わたしの中に異物感はなかった。
 ゆっくりと息を吸い込む。深く吸い込む。徐々に鮮明になる意識。そのことによってわたしは、さっきまで朦朧とした快感の海を漂っていたんんだと知った。ねっとりとした乳白色の液体で満たされた海。
 太田はわたしの中に入ったのだろうか?
 目を開けて回りを見渡したわたしは、そうではないことを知った。
 太田はスーツを脱ぎ、カーテンレールにかかっているハンガーにそれをつるそうとしているところだった。フィストファックはわたしにとっては何回分ものセックスに相当する衝撃だったが、太田にとってあくまで前戯なのだ。太田は服を脱ぎ、いよいよ本番にそなえようとしているだけらしかった。
 わたしは股間と、その下のソファーを見た。液体でどろどろだが、赤いものは微塵も混じっていない。血か肉がラブジュースに混じっていたように見えたのは錯覚だったか。わたしのヴァギナは相当タフらしい。
 上半身裸になった太田は、予想通り鍛えぬかれた筋肉の上に皮が張り付いた感じだった。ボディビルダーのような豊かさはない。軽量級ボクサーのような無駄を削ぎこまれた肉体だった。
 太田はスラックスは脱がずに、わたしの前に立った。
「さ、こんどはお嬢さんの番だよ。タップリ感じさせておくれ」
 爬虫類のような光を宿した目がニヤリと笑う。
 望むところだった。誰かに教えてもらったりしたわけじゃない。けれど、数多くの経験が、フェラチオの極意をわたしに刻み込んでいる。
 わたしは太田のベルトを外し、ファスナーを降ろす。足元にスラックスがふわりと落ちた。
 太田がつけていたのは、極小三角の布を前面に配した下着だった。もちろん棒は上部に存分にはみ出している。前面部以外は紐だ。女物のパンティーかと一瞬思ったが、かわいらしい飾りもなければ、三角布の形状も若干違うようだった。男性用のセクシーランジェリーだと理解するのに、それほど時間は必要なかった。
 三角布は薄く、男性器が透けている。
 わたしは太田のそれを眺め、少し哀れになった。太すぎるのだ。長さはさほどでもない。標準より大きいのは確かだけれど、この程度のモノにはこれまで何度もお目にかかったことはある。けれど、この太さは…
 なるほど、フィストファックに耐えられるくらいのヴァギナでなければ、とても受け入れる事は出来ないだろう。
 太田があんな無茶をしたのには、きっとこういう理由があったのだ。

 大きすぎるのが悩みであるという男性の話を週刊誌などで見ることはあるが、わたしは今までそれを信じなかった。「入らない」などというのは、女性の熟練度が足らないか、男性の前戯や雰囲気作りが下手なのだと思っていた。しかし、太田の太さはそれどころの話ではなかった。
 わたしは太田の下着に手を伸ばした。ぐっしょり濡れていた。透けているのはそのためだ。
 ラブジュース・・・だろうか? それにしては量が多い。先端だけでなく、ペニス全体を覆ってあまりある液体。太腿の内側にまでしたたっている。しかし、これはザーメンではない。
「僕は、潮を吹くんですよ」
 わたしは驚かなかった。あの太さ以上の驚きなんて、もう存在しない。
 潮と言われればなるほどだった。
 サラサラしているし、匂いもない。潮はそういうものだという知識があった。わたしは潮を吹いた事がない。ちょっと羨ましかった。
 わたしは太田のパンツを脱がせた。そそり立ったペニス、引き締まったお尻。わたしはいとおしくなって、ペニスよりも先に尻頬に唇を寄せた。指で太田の下着の紐をひっかけて下ろしながら。
 太田のパンツを膝の上までおろしたところで、わたしは指を紐から離し、太田のペニスの付け根に触れた。
「入る、かな?」
 ちょっと心配そうな太田の声。
「わたし、普通じゃないですから」と言うと、太田は嬉しそうに「そうですよね」と返事した。
 もしかしたらこの男は、随分久しぶりに女性の中にはいるのではないだろうかと思った。
「昔はママさんが相手をしてくれたんですけど、彼女も35を超える頃から受け入れられなくなりました」
 ママさんはもしかしたら自分の後釜を探そうとしていたのかもしれない。
 それにしても、とわたしは思った。
 多分入るだろうけれど、こんなことならビール瓶オナニーで満足しなければ良かった。太いものでパンパンにアソコを満たしてみたいという欲求は、あっさりとビール瓶を底から飲み込んだことで、それ以上エスカレートしなかったのだ。ハンドボールを挿入している写真をキョウスケに見せられた事はあったけれど、自分でやってみたいとは思わなかった。きっと男の子と本当のセックスをすることの方に興味が向いていたからだろう。何人もの男に同時に輪姦されたいという欲求はいつもあるのにね。
 太田のカリ部分は明らかにビール瓶よりすごい。けれど、先端部分から徐々にいれていけば何とかなる。こんなことなら一升瓶オナニーにも励んでおくんだったなと少し後悔しながら、早くもわたしのアソコは未経験の太さを受け入れる悦びに、汁を溢れさせていた。
 
 わたしはまず、太田のペニスの根元を両掌でそっと包んだ。寒さでかじかんだ手を温める時に、暖かいミルクの入ったマグカップを、両手で持つ時のように。
 ホットミルクならそのままカップを自分の口元まで近づけるが、わたしが今つかんでいるのは男性器である。わたしは自分から口を寄せた。
 ぷう〜んと鼻につく男の匂い。
 その中に、石鹸の香りが混じっている。
 ママさんから女の子をあてがわれるとわかっていた太田は、ここに来るまでに入浴を済ませていたらしかった。それにしては男の匂いもキツイ。ラブジュースを滴らせるばかりか潮まで吹き、このような匂いを再び纏ったのだろう。
 大きく張り出したカリの裏側に舌を這わせながら、わたしはゆっくりと手を動かした。それは焼き物を作るときに粘土の形を整えているのに似ていたかもしれない。
 唇を寄せ、舌で唾液を押し出し、それをカリ裏になすりつけながら、チュッチュと吸う。男の人が喜ぶので、わたしはわざと音をたてる。
 ぴちゃ、ぷちゅぁ、ぴちゃ、くちゅ…
 太田の口から無声音の「あ」が漏れる。
 感じてくれているみたい。
 咥えてあげることが出来ないので、わたしはその分ゆっくりと丁寧に舐める。指先もいくつかのポイントを探り当てたが、どうやら太田はそういう一箇所攻めよりも、ピストンの方が好きみたいだ。両手できつく握り、上へ下へと掌を移動させる方が明らかに喘いでいる。
「うまくいってるみたいね。でも、疲れたでしょう?」
 背後からママさんの声。いったいいつから見ていたのだろう。ドアを開け閉めする音にすら気が付かなかった。もう、はめてくれたわね、などと怒る気力など無かった。今のわたしは太田を感じさせることに夢中だ。怒るどころか、こんな凄いモノと出会う機会を作ってくれたことに感謝に似た気持ちすらある。
「お店が一段落したから、手伝ってあげるわ」
 私たちの傍にやってきたママさんは、わたしの頬に指先をそっと添えて、フェラチオをやめるように促した。
「太田さんはね、これが好きなの」
 やおらママさんは、右手の人差し指を尿道に突き刺した。
 びっくりしたわたしは太田に添えていた手まで離してしまった。
 わたしの手で固定されていたペニスは、動きを開放されて、ビイインと跳ねる。
「ぐわああ、イテテテ」
 太田の悲鳴。
「ほら、由美ちゃん、しっかり押さえてて」
 尿道に指を挿入された状態でペニスが暴れたものだから、痛みで太田がのけぞったのだった。
「は、はい」
 慌ててわたしは返事をする。
 わたしは両手でしっかりと太田のモノを固定した。とてもペニスを触っているという気分にはならなかった。
「じゃあ、太田さん、いくわよ」
 ママさんが言い、太田が頷いた。
「しっかり持っててね」
 ママさんはわたしに向かってそう言うと、ペニスに差し込んだ指をゆっくりと抜き、そしてまた突き刺した。最初の2〜3回はゆっくりと、その後は激しく。
「うう、うう! ううううー!」
 太田が雄たけびをあげる。だが、苦しんでいるのではなく、その表情は明らかに恍惚の境地へと導かれていることを示していた。
 ママさんが指を奥まで突き刺すごとに、ペニスの先端から液体がぶちょ、ぶちょっと飛び出す。
「はじめてこの人としたとき、大きすぎて入らなくてね。だったらあたしが入れてあげよう、そう思ってこうしてあげたの。そしたらこの人、潮を吹くのよ。あたし、感動しちゃった」
 ママさんが問わず語りのように言う。
「でも、こうしているうちにあたしもものすごく興奮してきて、いつの間にかアソコが思いっきり開いていることに気が付いたの。この人のを受け入れるために身体が反応したのね。でも、それももう…」
 悲しげな色彩がママの言葉ににじみ出る。
「あなたは、どう? 入りそう?」
 わたしは、「ええ、多分」と答えた。