語り部は由美
高校3年生 塾とラブホ(2)





 塾は月・水・金の週3回だ。夕方の7時に始まり、50分間の授業がみっつ。間に10分の休憩時間がある。だから終業が9時50分になる。
 わたし達生徒は授業の終了と同時にさっさと帰ることが出来るけれど、先生はそうはいかない。塾の後に市場先生とデートしようと思ったら待たなくてはいけない。30分くらいはかかる。この前の「お詫び」の時にそれほど待たされなかったのは、狙った獲物を逃すまいと特に気合を入れて(あるいはやりかけのことを放ったらかしておいて)塾を出たに違いなかった。
 10時になると、送迎用のマイクロバス1台とやワゴン2台が塾の正面の道路に並ぶ。わたしは自転車で通っているのでバスの申し込みはしていない。今日は先生との約束があるので、徒歩で通ってきた。先生とデートの日は車で送ってくれるからだ。
 
 塾生がお喋りをしながらのんびりとバスやワゴンに乗り込む様子をぼんやりと見ていると、
「あなたも早く乗った方がいいわよ」
と、声をかけられた。
 同じ教室にいる女の子。早川恵子といったっけ。ちょっととっつきにくそうな第一印象で、わたしは彼女と喋ったことは無かった。肩まであるソバージュヘアがいつもいく筋か顔の正面に無造作にかかっている。黒板と机の上を視線が往復するだけだから、いちいち髪の乱れを直す気にはなれないのだろう。だから、表情がよく読めない。彼女が誰かと話しているところを少なくともわたしは見たことが無いし、暗いイメージを持っていた。髪の間からのぞく肌が透き通るほど白いことだけは知っていたけれど。
 ただ、一度だけ、彼女が髪を書き上げている姿を見たことがある。トイレの洗面台の前だった。恵子は、普段は髪で隠れがちな顔を鏡に向かってはっきりとさらし、紅をひきなおしていた。
 わたしは、ギョッとした。
 すんげえ、美人・・・。
 彼女に対しては暗いイメージを持っていたのでこれまでそのことばかりが意識に焼きついていたが、美人だとわかると全身に視線がいくものだ。
 身長は160を少し切るぐらいだろう。胸はそこそこあるし、お尻から足首までピタッとフィットしたパンツが彼女の脚線美を強調させる。お尻は標準より若干大きいと思う。だからこそ、張り付いたパンツがなまめかしい。
 初めて男を知った頃と違って、わたしもそれなりに体型には自信がある。けれど、あくまで脱げば、の話だ。衣服をまとってさえボディーラインの美しさが際立つ彼女とは比べられない。
 
 これまで口を利いたことの無い彼女が、どうしてわたしに「早くバスに乗った方がいい」なんてことを言ってきたのか、わたしにはわからなかった。
「市場先生を待ってるんでしょ? でも、先生は、今日は私とデートなの」
「デート」というところで、恵子の表情が無邪気な笑顔になる。
 そこには、「あの人はもう私のものになったの」というような嫌味なニュアンスは含まれていなかった。
「え? そうなの?」
 男を寝取られたと言うのに、わたしは間抜けにも真顔で聞き返していた。
「知ってるでしょ? あの人にはたくさん彼女がいること」
「ま、まあ・・・」
 わたしは曖昧に返事した。市場先生の口ぶりから、塾に通ってくる女の子に次から次へ手を出しているだろうコトは想像出来たが、私にとっての彼は「愉快な時間と気持ちいいセックス」を提供してくれるだけの男に過ぎなかったので、他に女がいるとかどうとか気にもならなかったのだ。
「知らなかったの? 災難ねえ。あなた、遊ばれてるのよ。もっとも、わたしもそうだけどさ。日替わりで違う女の子とデートしてるんだから。ま、わたしがその中では一番大切な存在なんだけどさ」
 しれっとして「わたしが一番」なんて言うものだから、わたしはムッとした。彼女を含めて市場先生が女に手を出しまくっていると知ってもちっとも感情が揺れなかったのに、不思議なものだ。
「どうして一番だってわかるの?」
「だって、先週の金曜のデートがキャンセルになったかわりって、今日を指定されたんだもの。つまり、今日の彼女よりも上ってことでしょ? だいたい、市場先生はキャンセルの埋め合わせなんて普段はしないのよ」
「わたし、キャンセルされたことが無いから、知らなかったわ」
「ふうーん」
 恵子は少し考え込んでいるようだった。
 キャンセルされたことの無い女と、キャンセルはしても埋め合わせしてもらえる女、どっちが上なのかを考えているのだろう。
「幸運だったのよ、それは。あなたの日にたまたまよんどころない事情が飛び込んでこなかったってことでしょ? でも、その記録も今日までよ。だって、今日のお相手はわたしだもの」
 なんとか「自分の方が上」という理屈を見つけて、恵子はまた笑った。
 まじりっけの無い純粋な笑顔だった。
 わたしには理解できなかった。「自分が一番」だということで喜ぶ女が、その相手の男があっちこっちに手を出している事実を知っていてさえも、こうも喜びを感じることが出来るものなのだろうか。
 恵子の笑顔は決して「わたしはあなたたちとは違うのよ」と勝ち誇ったような時にみせる笑顔ではない。一人の男性と愛し合ってこその笑顔だ。
「あーあ、バス、行っちゃったわよ。どうするのよ」
「大丈夫。歩いても帰れるから」
「そうなの? 心配して損しちゃった」
 先生が来るまで待って「わたしとこの子のどっちが大切なの?」と詰問する気にはなれなかった。恵子と対抗したいとも思わなかった。
 わたしはこの子のことがなんとなく好きになっていた。
「じゃ、お先に」と、わたしは言った。
「うん、バイバイ。またね」
 恵子は手を振った。男を取り合った女同士のやりとりではないなとわたしは思った。
 恵子もわたしのことを好きになってくれたのかもしれない。だったら嬉しい。

 二日後、塾に行くと、先生が耳元に声を吹きこんできた。
「このまえ、どうして待っててくれなかったの?」
「だって、早川さんが先生と約束してるって言ったから」
「そうだよ。それがどうかした?」
「え?」
「3P。キミなら経験あると思ったんだけどな」
 わたしは頷いた。そうか、先生はそんなことを考えていたのか。
「早川は僕しか男は知らないんだ。だから、色々と教えてやろうと思って」
 その時、右斜め前方で「質問があります」と手が挙がった。
 市場先生は、「次は頼むよ」と、耳の奥に言葉を残してその場を去った。あそこがジュンとした。
 わたしはその日、先生へのメッセージをノートに書いた。そのページを破って、先生に渡した。
「複数プレイがお好みなら、男性の4・5人くらいは用意しておいて」

 市場先生とのセックスは好きだけれど、わたしは一方で、千代田君との恋愛も育てたいと思っていた。
 彼とは相変わらずキスまでの仲だ。どさくさにまぎれて胸に触れてくるぐらいのことはするけれど、所詮半分冗談のじゃれあいっこだ。千代田君とちゃんとセックスがしたい。
 彼はきっと上手ではないだろう。せっかくのボディータッチも、微妙に外れている。乳首がどこにあるかわからないみたい。
 でも、何度かそんなことがあるうち、彼の手が偶然乳首に触れた。あん、とわたしが声を出すのと、彼が手を引っ込めるのが同時だった。
「ごめ・・・」
 彼は「ごめん」と言いかけたが、わたしが色っぽい声を出すので、謝るのをやめた。
 それでわたしは悟ったのだ。この子、童貞だ。
 乳首の場所がわからないのではなくて、その大切な部分には冗談で触ったりしたらいけないんだと思っていたのだ。彼は微妙にその位置をはずしてこれまで触ってきていたんだとわかった。

 みなさん、こんにちわ。由美です。
 肉声で登場するのは久しぶりですね。
 覚えていてくださっていますでしょうか。21世紀に生きるわたしは既に結婚をしている、っていうこと。
 だから、もし、現在の高校生がこれを読んだら、ちょっとした時代のずれを感じるかもしれません。
 例えば今なら、千代田君のような男の子に対してでも「エッチしよっか」で簡単に誘うことが出来るかもしれません。でも、当時はそうではなかったのです。そもそも「エッチする」という表現が無かったんですよね。
 おじさん連中が「スケベする」っていう表現はしていたようですが。
 少女漫画でセックスを描写するときは、ただもう花びらが舞い散るだけで、気がついたら朝になっていた、なんて状態でした。(ちょっと大げさですけど)
 つまり、一緒に朝を迎えたってコトで、このふたりがエッチしたんだってことを推して知りなさい、ていうわけだったんです。
 女の子が男の子を誘うときは、そうですねえ、「抱いてください」とか「今夜は帰りたくない」とかいうのが精一杯。さすがに「一緒にモーニングコーヒーを飲もう」なんてくさい台詞を本当にはいた人がいるかどうかは定かではありませんけれど。
 もう少しだけ古い時代なら、ラブホテルならぬ連込宿には「ご宿泊・ご休憩・ご商談」なんて看板もかかっていたりして。密談するにはいいかもしれないけれど、あんなところで「ご商談」なんてした人がいるのでしょうか。
 おっと、話がそれました。
 いわゆる時代による感覚の違いはあっても、好きな人とエッチしたいって気持ちは変わらないですよね。

 辺りは暗くなっていた。晩春という言葉をわたしは聞いたことが無いけれど、季節はまさにそうだった。昼間は時として「夏、間近」を感じるけれど、夜になると夏の気配があっさりと消えてしまう。かといって、冷え込む、というほどではなかった。
 二人の塾が重ならない平日は木曜日だけだ。わたし達はこの日を待ちかねていた。いったん家に戻って私服に着替えた方が行動には自由がきくのだけれど、その時間がもったいなかった。千代田君の「いかにも高校生」という風情は着替えたところで代わり映えはしなかっただろうけれど。だからわたし達は制服のままで放課後のデートをした。
 スーパーでテイクアウトのお好み焼きを買い、わたし達は公園のベンチに座って食べた。
 同じ学校に通っているので、話題などいくらでもあるといえばあるし、いまさら改めて語り合わなくてはいけないようなことなど何も無いといえば何も無い。
 お互い、あるときを境に無口になる。
 それが二人のキスの合図だった。
 千代田君は最近やっと舌を入れることを憶えた。
 そのせいでキスの時間がすごく長くなる。暖かくて柔らかいものがわたしの口の中でもごもごと動いた。舌と舌が絡まりあうのが好き。どれだけ濃密になっても「足らない」という気持ちが治まらない。身体の芯からカーッと熱くなってくる。
 わたしは千代田君の手をとり、自分の胸に導いた。
 予想はしていたけれど、彼にとって女の子の方から手を出すなんてことは思いもよらないことだった。
 彼は触れ合っていた唇を離し、わたしの胸からも手を遠のけた。
「オッパイ、触りたくないの?」
 わたしは訊いた。千代田君は首を横に振った。
「そりゃあ触りたいけど、でも・・・」
「いっつもどさくさにまぎれて触ってるじゃない」
「・・うん・・・。バレてた?」
「もちろんよ。・・・・ねえ、ちゃんと触ってよ」
 もう一度わたしは彼の手を導いた。
 今度は彼も手をどけなかった。
「はあぁぁ」
 ため息が出た。乳房をもまれているわけでもなければ、乳首をつままれているわけでもない。ただ掌が添えられているだけ。それなのにわたしは、気持ちよくなっていた。
「揉んで」
「え?」
「ゆっくり、柔らかく・・・、ああ、そう・・・」
 彼は言われたとおりにした。わたしは目を閉じた。
 胸のふくらみを優しく愛撫されて、わたしはとろけそうになる。甘い汁が脳みその中に充満してくるようだ。いつまでもこのまま身を任せていたい。
 身体から力が抜け、彼にもたれかかる。目も口も半開きになっている。
 きっとわたしは思いっきり色っぽい表情をしているだろう。彼にとってエロ本でしか見たことの無いような女の顔。
「ああ、んんんーー」
 千代田君はいつまでもわたしの胸を揉み続けた。
 甘美の吐息を漏らすわたしに、「気持ちいいの?」と、彼は訊いた。
「うん、気持ちいい。もっと、もっとして」
 セーラー服の裾から手が入ってきた。
 彼の手の感触が直接肌に伝わってくる。
 こんなことになるのならノーブラでいればよかった。そしたらすぐに触らせてあげられるのに。
 ううん、千代田君みたいな男の子は、ノーブラにショックを受けるかしら。
 そんなことを考えているうちに、彼の手はブラジャーの上から苛苛と動き回った。これまでのような愛撫ではない。
 ブラと肌に無理やり隙間を作って指を差し入れてくる。でも、2本が精一杯。右へ左へと指が往復する。乳首がピクンとはじかれる。
 その度にわたしが声を出すものだから、彼はさらに無理やり手を入れてこようとした。でも、それは無理。
「待って」と、わたしは言った。
 わたしはホックをはずし、肩紐をずらして腕を抜き、スルッとブラジャーを抜き取った。そして、セーラー服を捲り上げた。
 彼の目の前にふたつの乳房があらわになる。
 彼はそっと乳首に指先を触れてきた。
 ただそれだけのことなのに、わたしは強烈に感じてしまった。
「あああー」
「そ、そんなに感じるの?」
「感じる。感じるゥ。お願い、して、して、してえぇぇー」
 彼は乳房をぎゅうっとつかんだ。
「あう!」
「ご、ごめん、痛かった?」
「大丈夫。もう十分感じてるから、大丈夫よ。激しくしても!」
 わたしはもみくちゃにされた。足と足の間がキュンとなって思わず力が入る。ぐちゅっという音がした。めちゃくちゃ濡れていた。
「ああ、舐めて、お願い。あん、舌で転がして。ねえ、お願いいいぃぃぃ」
 わたしは彼の耳に息を吹きかけながら言った。そして、耳たぶを唇で挟んだ。
「ゆ、由美ちゃん。ぼ、ぼくもう、理性がなくなっちゃうよ。ねえ」
「いいの、いいの。お願いだからそんなこと言わないで。わたし、理性なんてとっくに無い・・・」
 
 すっかり暗くなった公園。
 あちこちのベンチにはカップルがいっぱい。もちろんカップルでない人達もいる。クラブ活動で帰りが遅くなったらしい中学生や高校生がおしゃべりに興じていたり、酔っ払いのおじさんがいたり、犬の散歩中に休憩をしている老人がいたり・・・。ベンチでいちゃつくカップルになど慣れっこになっているのだろうな。
 もちろんベンチなどに座らず通り過ぎる人もいる。散歩の人や公園には用がないけれど近道なので通り抜ける人。そういう人たちからはチラチラと視線を感じる。
 花壇の縁や大きな木の根元、そして、潅木に遮られたちょっとしたスペースなどにも二人連れはいる。ベンチなど「座るための場所」よりもやってる行為は積極的だ。
 だから、わたしと千代田君は、ベンチ組みとしてはちょっとばかりハードだった。しかも、制服を着ているからインパクトが強い、かな?
 だって、わたしはもう我慢できずに、彼のものをフェラしていたから。
 彼にオッパイを揉まれながら、わたしは次々と彼に指示を出した。
「乳首、つまんで」
「掌で転がすの」
「ああ、もっと、強くしてよ」
「下から持ち上げるようにして掴んで!」
「お願い、しゃぶってよ、吸ってよ。したいでしょ? わたしもされたいの」
 歯止めがきかなくなるのがわかっていたから、彼のモノには触れないようにしていた。けれど、わたしの望みどおりの愛撫をしてくれる彼がとてもいとおしくなって、ついにわたしは手を伸ばした。
 ズボンの上から触れただけなのに、彼のアソコはびしょびしょだった。あふれ出したジュースが、下着も、ズボンも通り越して染み出していたのだ。
 そして、わたしは歯止めがきかなくなった。もうどうでもいいや、と思った。
 ファスナーをおろし、トランクスの前開きの穴から、彼のものを引っ張り出した。
 いきなりしゃぶりつくつもりはなかった。けれど、そそり立った彼のモノを手でしごくなんて、あまりにも目立ちすぎる。せめて口で隠さなくちゃ。
 わたしは彼のモノを咥えた。
 遠目には横に並んだ恋人同士、女の子が甘えて彼の膝に頭を置いているように見えただろう。
「あ!」
 千代田君は小さく声を出した。けれどもう、どさくさまぎれでないと胸に触れられないような遠慮がちな男の子ではなくなっていた。腰の位置を微妙に動かして喉にまで挿入してくる。
 バキュームの緩急と舌技だけで童貞君をイカせるなんてたやすいし、最初はそのつもりだった。でも、しゃぶり続けているうちに、彼をもっともっと感じさせてあげたくなった。さっきまでわたしの望むままにオッパイを感じさせてくれていた彼に奉仕してあげたくなった。大好きな彼とめいっぱい昇りつめたくなった。
 わたしは頭を上下させた。最初はゆっくりと、だんだん早く。
 十分大きく硬くなっていた彼のモノが小刻みに震え始め、一段と硬度を増した。
 このままだとイッちゃう。わたしは動きをゆるくした。彼は耐えた。
(わあ、我慢できるんだ)
 ちょっと嬉しくなったわたしは「ご褒美」の奉仕をする。
 カリに軽く歯を引っ掛けて歯先で刺激を与えながら唇をすぼめた。竿をしっかりと握りピストンする。
「あ、あう、う・・」
 彼が声を出す。場所柄をわきまえて今までこらえていたんだろう。それとも、声を出すなんてみっともないとでも思っていたのだろうか。声を出さない男の人も実際いるけれど、わたしは出してくれる方が好き。
 彼のモノがグンとはねてわたしの口腔を大きく打った。そして、一瞬の停止。
(あ、来る!)
 わたしは最大級の出力で彼のモノを手でしごき、同時に舌で思いっきりこねくり回しながらバキューム。
 彼はわたしの口の中で暴れまわった。そして、大放出。熱いしぶきがわたしの口いっぱいに広がった。

 彼の白濁液を飲んだ後、手でしごいて彼のものを全て出し、もう一度飲み込む。そして、舌先で綺麗にぬぐってあげた後、わたしは彼のモノをそっとトランクスの中にしまった。しぼむ兆候を見せたのは最初だけで、すぐにまた彼のものは屹立したけれど、「ここで、これ以上は・・・ゴメンネ」と言って彼をなだめた。
 彼が経験者で、たとえばわたしのアソコに手を伸ばしてきたりしたら、どうなったかわからない。茂みの中に倒れこんだか、それともトイレの個室で壁に手を突いて彼を受け入れたか。あるいは、彼の上に座ったかもしれない。

 わたし達は息が整うと、ベンチを後にした。
 お互い腰に手を回してぴったりと密着しながら歩いた。
 千代田君は私の中に出したんだけど、相変わらず童貞だ。そのことを思うと、なんだかほほえましいような気がして、小さな笑みがわたしの顔から消えなかった。
「またね」
「じゃ、明日、学校で」
 彼の表情も幸福に満ちているように見えた。