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蒼く熱く喘ぐ

第5章 快感

 

 雅人は萎えきったあそこを隠すかのように、パンツを履いた。
「加奈、ごめん、俺、興奮しちゃって、つい無理しすぎたかな」
 その言葉に横たわったまま顔を横に向けている加奈は無言のまま。
「ごめん、俺の事嫌いになった」
雅人が再び加奈に声をかける。
 加奈は2度目の問いかけに、雅人の方に顔を向ける。
 雅人の表情はひどく申し訳なさそうな顔をしている。そけを見た加奈はなんだか自分の方が悪いことしてしまったような感覚に包まれていく。すると、心がとても切なくなったてきた。
 加奈は起きあがろうとして、少しよろめいた。
 下腹部に痛みを感じて、片方の手でその痛む部位を覆った。
 それを見て慌てたように雅人が加奈を抱きかかえようとする。
「加奈、大丈夫?まだ痛いの?」
 抱きかかえられながら加奈はコクっとうなづいて見せた。
 起きあがった加奈は先ほどよりも強い痛みを覚える。
 雅人は加奈のあそこを見つめる。
(血とかでてるんだろか?)
雅人はふとそんな事を思う。
 痛みをこらえながら加奈はティシュペーパーを取り出すと、痛むあそこをふき取った。
 それを見ている雅人。
 ふき取られたティシュペーパーには少しのぬめりとほんのわずかだがうっすらと血がついていた。加奈はそれを見せまいと、すぐにティシュペーパーを丸める。
「血とかついてた?」
雅人が思わず聞く。
「少しだけ」
加奈が答える。
 加奈はその丸めたティシュペーパーを手の平の中に握りしめたまま、パンティーを履き直す。雅人はそれを横目で見つめる。
(少しって、どれくらい血がでたんだろ)
雅人はふとそんな事を思う。
 雅人の知識の中では、処女は初めてその行為を行った時、あの部分から出血するのは知っていた。だが、加奈のあそこから、それとわかるような出血があったようには見えなかった。
 そんな事を考えているうちに加奈はスカートを履くと、手の平に握りしめていたティシュをそのポケットにしまいこんだ。
「もう痛くない?」
雅人は身だしなしを整えた加奈に声をかける。
「まだ痛いよ」
加奈が答える。
「歩ける?」
「うん」
雅人の問いに加奈は少し笑みを浮かべる。

 「じゃ、そろそろ行こうか」
 二人は生徒会室を出ることにする。
 まず、雅人がドアの鍵を外す。あたりの物音を探る。誰も近くにいないようだったので、静かにドアを開く。そして、顔だけを少しだして廊下を見渡す。誰もいな事を確認すると、ドアを大きく開いて雅人が廊下に出て、続いて加奈が出た。
 雅人はさっとそのドアを閉める。何事もなかったかのような素振りで生徒会室の前に立っている雅人と加奈。
「じゃ、いこうぜ」
二人は生徒用玄関に向かって歩き始めた。
 すると向こうから二人の女生徒がこっちに向かって歩いてくる。平静を保ちながらその二人とすれ違う雅人と加奈。加奈はその二人の女生徒の姿を見た時、ドキッとしたのと、急に胸の鼓動が激しくなっていくのを憶える。
 それは、その二人の女生徒とすれ違う時に、最高潮に達した。
 自分ではそれでもかなり平静を保っているつもりの加奈であったが、顔にでている表情を隠す事はできなかった。加奈の頬が少し赤らみ、はにかんだ恥ずかしいような表情をしていた。
 だが、そのすれ違った二人は、加奈と雅人が、まさか生徒会室の中で、行為に及んでいたとは夢にも思うわけがなかった。
 二人の女生徒は、はにかんだ、恥ずかしそうな表情を浮かべる加奈を見て、ただ単に男子生徒と二人で廊下を歩く姿を見られて照れているだけ、と思うのだった。
 雅人の方はどうであったかというと、彼もまた加奈と同じであった。普段のそれとはまったく違い、ポケットに手を突っ込み、どこかよそよそしいような、そんな素振りで歩く雅人。
 生徒用玄関まで来ると、二人はそれぞれの学年の所へと別れていく。
 加奈は下駄箱の蓋を開けて、靴を取り出すと、それを下にポンとほかるように投げ置いた。上履きとして使用しているスリッパから足を抜き、床にある靴に片方ずつ足を入れる。
 そして、スリッパを取ろうと、体を少しかがめた瞬間、加奈の下腹部に、忘れていた痛みがふとよみがえってくる。
「イタッ」思わず小さくであったが、声を漏らす。
 痛みのよみがえってきた、下腹部に手をあてながら、スリッパを取ると、それを下駄箱の中に入れた。
 雅人の方は、そそくさと靴を履き替えると、生徒用玄関の外で待っていた。
 加奈がようやく、生徒用玄関の外にでて来た。
 下腹部に手をあてて出でくる加奈の姿を見て雅人は少し心配になる。
「加奈、本当に大丈夫かよ?」
「少し、痛いけど、大丈夫だよ」
 加奈は、自分に気を使ってくれる雅人の言葉遣いがすごく嬉しかった。
 二人はははゆっくりと歩きながら校門をくぐると、加奈の家のある方向へと歩きはじめた。歩きながら二人が交わした言葉といえば、
「大丈夫?」
「大丈夫だよ」
と雅人が加奈を気遣い、それに加奈が答えるという以外、言葉を発する事はなかった。
 二人は大通りをそんな様子で歩いていく。
 加奈がいつも入っていく、小路のところまで、そんな調子で二人は歩いてきた。
「じゃ、ここで」
「いいよ、一人でいくから」
「送っていくよ」
「いいって」
「なんでだよ」
「べつになんでもないよ」
 雅人はそう言われると、かえって加奈を家まで送っていきたくなる。
 しかし、加奈はなぜか、それを拒んで、ここから一人で帰ろうとする。少しの間、とりとめもない押し問答を繰り返す二人。
「じゃ、わかったよ」
 雅人は諦めがついたのか、自分がしつこい性格だと思われたくないのか、加奈の言葉を聞き入れた。
「今日はごめんな」
「なんで謝るの?」
「謝るってるわけじゃないけど」
「なに?」
「謝ってるわけじゃないけど、なんていうのかな」
「わけじゃないけどなに?」
 加奈には雅人の言おうとすることはわかっていた。わかっていたのだが、なぜかそんな言葉を返していた。
「じゃ、私、帰るね」
「う、うん」
「あんまり気にしなくてもいいから」
「わかった、でも今日は嬉しかったよ」
 加奈はその言葉に
「じゃ」
 とだけ返すと、小路に入っていった。

 少し加奈の後ろ姿を見ていた雅人も、大通りを自分の家の方に向かって歩きはじめた。
 雅人は歩きながら考える。
(俺に処女を捧げて、あんまり嬉しくなかったのかなぁ)
 そう考え始めると、いろんな事が頭の中をよぎってくる。
(それとも、痛かったんで、あんな態度をとるのかなぁ)
 そう考えているうち、さっき加奈がスカートのポケットにしまいこんだ、丸めたティシュの事を思い出す。その事を思い出しながら考える事は一つであった。
(あのティシュにはどのくらい血がついてたんだろ)
 雅人はもちろん処女の女性とSEXしたのは生まれて初めてである。だからその血がどのくらいでるものなのかは知らなかった。
 ただ、以前友達の家で見た、アダルトビデオに出ていた女性の股間からは太ももに向かって、赤い血が流れていたのを知っているだけだった。
 そして、そのビデオでは、行為を終えたベットのシーツの部分も写し出されていた。そのシーツには赤い血が丸く染み渡っていた。
 雅人は処女喪失というものはそういうものだと思っていた。
 だが、今日処女であるはずの加奈と行為に及んだのに、加奈のあそこからは血が流れ落ちることはなかったし、椅子の上にもそれらしきものは付着してなかった。
 雅人にもやもやしたものが湧いてきた。

 加奈は商店街を過ぎるあたりまで歩いてきていた。先ほど雅人の申し出を断ったのには訳があった。訳があったというか、なぜかむしょうに一人になりたかったのである。
 今日は、大好きな雅人に、自分の一番大切なものを捧げられて嬉しかった。
 しかし、その反面、帰り道、むしょうに一人になりたくなったのだった。だから、別れ際の雅人の言葉をかたくなに拒んでみせた。
 本来なら、その行為を終えたあと、男性にべったりはりついたように体を寄せて甘えるのだろうが、加奈の心には一人になりたいという気持ちが強く湧いたのだった。
 家に近づくと、急に胸を締め付けられるような罪悪感のようなものが湧いてくる。
 なぜだろうか。
 人間というものは不思議なもので、なにか人には言えないような事をすると、家族の顔を思いだしたりするものである。今の加奈がそれであった。
 家に着き玄関のドアを開ける。
 今日は日曜日ということもあって、家には加奈の両親がいた。奥から両親の話声とテレビの音が聞こえる。
 玄関で靴を脱ぐと、
「ただいま」
とだけ、奥の居間の方に声をかけ、階段を登って、自分の部屋に入る。
 ベットの上に腰掛ける。
 そして、
「ふーっ」
となぜか溜息をつくと、そのままベットの上に横たわる加奈。
 階下から母親が声をかける。
「加奈、ご飯食べてきたの?」
その声に加奈は大きな声で
「いらないよ」
とだけ答える。
 それから母親はまた居間の方に戻ったらしく、階下から声がすることはなかった。
 加奈は静まりかえった自分の部屋の天井をじっと見つめる。
「ふーっ」
 また大きく溜息を吐いた。
 今日の雅人との生徒会室での出来事がよみがえってくる。
 すると加奈は急に自分の母親の事を考え始めていた。
(お母さんは初めてエッチしたときって、どんな感じだったんだろ?)
 今まで、考えもしたことのない事が次々と疑問となって、加奈の頭の中に沸いてくる。そう考えはじめると、次に思い浮かんできた疑問は、
(お母さんの初体験の相手って、お父さんだったのかな?)
 そして、
(もし、初体験の相手がお父さんじゃなかったとしたら)
 加奈はそんな、答えを聞くことのできないようことを考え、再び大きく息を吐き、静かに目を閉じる加奈。

 それから、2ヶ月ぐらい、雅人と加奈は、デートのような事を繰り返すだけで、お互いの肌を晒して、交わる事ははなかった。
 そんな状態が続いていた、ある日の事である。
 その日は地域の大きなイベントが行われると言う事で、私立の高校である、雅人と加奈の通う学校は授業短縮でいつもより早めに学校が終わった。もちろん、部活動も今日の練習はなく、ほとんどの生徒たちは、そそくさと校門をくぐって家路についた。
 当然雅人と加奈も早く帰って、一緒にイベントを見にいくつもりであったが、二人は水飲み場の前でべちゃくちゃと話こんでいた。
 あたりに人気のまったくなくなった水飲み場。
「なぁ、生徒会室いかない?」
 ふと雅人が言う。
「えっ?」
 加奈は急にそんな事を言われてびっくりする。
 雅人は別に、今日の授業短縮の日を狙っていたわけではなかった。もちろん、あの日以来、雅人が自分を慰める際に頭の中で思い浮かべるのは加奈の姿だった。だからといって、今日したかったわけではなかった。
 あたりに人影がなくなって静まりかえった、水飲み場をつつむ独特の物が、彼にその言葉を吐き出させたのだった。
「で、でも」
驚いた表情を見せながら加奈は続けて言った。
「いいだろ、いやなら別にいいけど」
加奈は少しうつむいてから顔を上げると
「ちょっとだけだよ」
と答えた。
 雅人はこれまで談笑している時の、笑顔とは違い、その目には、輝きのようなものすら混じって見えた。雅人はあたりを見まわすと、加奈の手を握る。生徒会室までは水飲み場からはそんなに遠くはなかった。
 あたりをきょろきょろ見まわしながら、二人は誰に会うこともなく、生徒会室の前にたどたどりつく。
 雅人がドアを開けようとした瞬間
「ねぇ、今日は先生と結構残ってるんじゃないの」
加奈はがそう言った。
 雅人はドアを開けて、
「大丈夫だよ、この前みたいに鍵を掛けておけばいいし、先生なんて、こんなとこ来やしないよ」
 さすが3年生ともなると、雅人はその辺の事は心得たものだった。普段でも、この学校では教員が生徒会室に現れる事はなかった。二人が中に入ると、雅人は急いで鍵をかける。
 建物の外はまだ陽射しがまだ残っていて明るかったが、ちょうど生徒会室のある校舎の真向かいにも校舎があり、この時間はちょうど影のようになっていた。

 カーテンはしっかり閉じられており、生徒会室はかなり薄暗くなっていた。
 雅人は鍵を掛けたことを確認するかのように、ドアのノブをまわしてみた。
 そして、完全に鍵がかけられたことを確認してから、生徒会長用においてある、事務用の机の前の椅子にドカット座りこんだ。
「こっちにおいでよ」
雅人が加奈に言う。
 加奈はにこっと笑うと、雅人の傍らによった。
 雅人は傍らにいる加奈の腰のあたりに手をまわすと、自分の膝の上に加奈を座らせた。雅人の膝に、加奈のお尻の柔らかい感触と人肌の温もりが同時に伝わってくる。
 雅人は自分の後ろ向きに座らせた加奈をぎゅっと抱きしめると背後から加奈の唇に自分の唇を重ねていった。
 いつも二人が唇を重ねるときにそうしているように、雅人の舌が加奈の舌を探るようにする。そして、ねっとりとしたお互いのぬめりを確かめあう。
 あの初体験の日以来、そこまでしかしていなかったが、今日は加奈も生徒会室に来る事を決めたときから、2度目の体験をする事は覚悟していた。というより、それを雅人に言われた時から、不安な気持ちを抱えながらも、心の片隅で、そうなる事を期待していたのかもしれない。
「うぅん」
 加奈の口から甘い喘ぎがこぼれ始めると、雅人は加奈を抱きしめている手で、加奈の胸をまさぐりはじめる。
 空いたほうの手で制服のブラウスを捲し上げると、加奈の胸をまさぐっていた手を、その中に入れて、再びまさぐりはじめた。
 そして、ブラジャーの中に手をさし入れて、大きくはないが、柔らかく、肌のきめの細かい心地よい感触を味わう。
 それと同時に、手の平の中心あたりに、感じる加奈の乳首のなんとも表現しがたいようなものも伝わってくる。
 雅人の空いたほうの手は、加奈のスカートの中へと入っていく。

 まずはパンティーの上からそっと、膨らむ恥毛に包まれたあそこに触れてみる。それだけで加奈が体をピクンと動かしてくるのが、なんともたまらないものを雅人におぼえさせる。
 それをしているうちに、雅人の指先に湿りが伝わりはじめてくる。
 雅人はパンティーの中に手を滑りこませる。
 すると、加奈はぎゅっと子供のように抱きついてきた。
 雅人が指先で加奈のあそこを撫であげる。加奈は堪えきれないような、それでいて切なそうな表情を浮かべながら、雅人から唇を離す。
 加奈は雅人の胸に顔をうずめた。それはまるで赤ん坊が、親に甘えて抱きついているよであったが、十分、雅人の気持ちを奮いたたせるものでもあった。
 加奈のあそこの潤みが一層ましてくるにつれ、雅人の男根の衝動も激しさを増していく。
「加奈」
 雅人はそう言い、自分に抱きついている加奈を、目の前の机の上に寝かせた。
 寝かせたといっても、その机はそんなには大きくもなく、加奈の背中の部分が、机の上に乗っているといった感じで、両足は床に向かってぶらさがったままだった。
 雅人は、加奈のスカートをまくり、パンティーを膝のあたりまでずり下ろす。そして、加奈のあそこに顔を近づけると、舌をはわした。
 舌先に、もうすでに濡れているものがまとわりつき、さらに新たな、加奈の愛液も雅人の舌を包むように流れだしてくる。
 それをまるですするかのように口に収めると雅人は立ち上がる。
 ズボンのベルトを緩めると、一気にトランクスと一緒にずり下げた。
 雅人の大きめのいきたった男根が天井に向かってそそりたっているようだった。その様子をうつろな目で見つめる加奈。
 雅人は男根を自分で掴むと、加奈にのしかかっていき、あそこにあてがった。
 少しだけ入ったところで、男根から手を離して腰を加奈の方に向かって押していく。
「あっ」
 加奈が声をあげた。
 雅人はこの前の事が頭によぎり、
「痛いの?」
と加奈の耳元で聞いてみた。
「だ、大丈夫」
加奈は雅人の背中に回している腕に少し力を加えた。

 雅人はそれならと、一気に男根を滑りこませた。この前とは違い、今日は十分あそこが濡れていたおかげか、雅人の男根はなんなく加奈のあそこに入ってくれた。
 雅人の男根に加奈の温もりと、まるで真綿のような柔らかさの膣の感触がこれでもかというほど伝わる。
 加奈は、雅人の男根をすんなり受け入れたものの別段気持ちがいいというわけではなかった。
「加奈、いいんだね?」
 雅人はそう言い、ゆっくりとピストン運動をはじめる。
 ピストン運動を繰り返される度に、加奈の方もだんだん気持ちがよくなってきた。しかしそれは、雅人の男根を受け入れている、膣が気持ちよかったのではなかった。ピストン運動を繰り返す度に、雅人の固い恥毛が加奈のクリトリスを擦り上げるようにして、快感を与えていたのだった。
 加奈は気持ちよくなってきて、ぶらさがっている状態になっている足が疲れたのか、自然と雅人の腰に足を絡めた。とその時、雅人に限界がきた、慌てて男根を引きぬこうとする雅人。そんなことがわからない加奈。
 雅人は引きぬく事が間に合わず、出口まで少しというところで白濁を出しはじめてしまった。
 引きぬかれた男根からはまだ白濁が飛び出し、それは加奈のあそこの上に撒き散らされる。
 雅人は慌てたのと同時に背中に冷や汗が走る。
 加奈はそんな事にはまったく気づかず、ただ、初めて味わった快楽のようなものにまだ包まれたままだった。






 

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