アスワンの王子
街道の1 オナニーの木





 ヨウシャは村を出た。生まれ、そして育った村だ。これまでの14年間の全てがそこにはあった。
 ヨウシャは歩く。家並みが徐々にまばらになり風景には畑が広がる。だがそれも歩いてせいぜい太陽が15度傾く程度の距離。やがて景色は荒涼としてくる。乾いた岩と砂が大地を覆う。黄色と茶色の世界。わずかだが起伏があるのでその陰影が地面をまだらに染める。遠くにやせた林が見える。
 ヨウシャは子供の頃にきいたことがある。遠くまだらに見える林に入ると木々は徐々にその濃密さを増してゆき、やがて陽も届かぬような生い茂った森になる。森の中にはあちこち泉が湧きだし、人家が点在するという。街道の森の村と呼ばれている。女は家のまわりのちいさな畑を耕し、男は森の中を何日も彷徨うようにして狩猟をする。
 森の大きさは、大人の男の歩行力で南北7日、東西3日と言われている。森の男達は縦横無尽に駆けめぐるが、旅人は街道からそれて迷ってしまうと抜け出すことが出来ない。磁性溶岩のために磁石は狂うし、生い茂る枝葉のために陽が射さないから、切り株の年輪からも方向を判断することは出来ない。
 幼年学校で「街道の森の村」のことを聞いたとき、ヨウシャはおとぎ話を語られているような気がしていた。でも今はおどぎ話なんかじゃない。現実だ。荒野を渡り森を抜け、命の谷をも越えなくてはならない。
 (ま、先のことばかり考えていても仕方ないな)
 とにかく一歩一歩、アスワンの王子のもとへ。

 街道をそれて荒れ地に入り込む間道がある。その先に小さな小屋が見える。間道を10分ほど歩けば着けそうだ。ヨウシャは乾燥食料を持っている。フルーツや獣肉だ。水と共に食すれば口にした量に比べてかなりお腹が膨れる。
 ヨウシャは小屋で水を分けてもらおうと考え、街道をそれて間道に入った。
 辿り着いた小屋は施錠されていて、呼びかけても反応がなかった。裏側に回ると小さな畑があった。それは予想通りだったが、残念ながら畑で作業をする人影はなかった。誰かいるとおもっていたのだが。
 傍らに井戸があった。
 井戸には屋根があり、天井からつるされた滑車にはロープがかけられている。ロープの両端はバケツだ。片方のバケツは滑車のすぐ下にあり、もう片方は深く井戸の底にまで達しているようだった。
 ヨウシャはロープを手に取り、井戸水を引き上げる。カラカラと音を立てて登ってきたバケツには、2分目程度の水が入っているだけだった。水の豊富な土地ではないことがわかる。けれど、自分ひとりが食事をするには、十分な水の量だった。持参のカップでバケツの水をすくった。
 傍らに腰掛けて、乾燥食料を食べ、水を口に含んだ。

 その時である。後ろから声がかかった。くぐもった低い声。ドスが利いている。
「おい、水泥棒」
「ひっ!」
 迫力のある声に、ヨウシャは身を固くした。カップを持った手は宙に浮き、食べかけていた感想獣肉は半分唇からはみ出したままだ。驚きと衝撃のために、獣肉を口の中に押し込むことも出すことも出来なかった。
「雨が少ないところだ。どれだけ水が大切かはわかるだろう?」
 相変わらず地を這うような声だったが、咎めるような感じから諭すような口調に変わりつつあった。
 ヨウシャは少し緊張を解き、コクリと頷いた。
「わかってるんなら話は早い。お代を払っていけ」
「そんな、お代なんて....」
 ヨウシャの家は決して裕福ではない。なけなしの金を「足らないのはわかっているけれど」と母に渡された限りだ。とてもこんなところで浪費できない。
「・・・・ないんです、お金」
 おそるおそるヨウシャは答えた。
「だったら、身体で払うんだな。多くの旅人がそうしたようにな」
 ヨウシャはごくんと生唾を飲んだ。
「私これからどうなるの」という不安が、エッチへの期待感にすりかわってゆく。
 口の中に食料を放り込みカップに残った水を飲み干してから、男を振り返った。
 ズボンだけで上半身は裸だ。いつもそうなのだろう、健康的に日焼けしている。背はあまり高くない。小柄ヨウシャと比べても頭ひとつ分高いに過ぎない。上半身裸のその男は、細身ながらも引き締まった筋肉を浮き上がらせていた。
 ヨウシャの視線は男の股間へ。
 既に大きくなっているそれを確認すると、もはやヨウシャは高ぶってくる。
 先へ進むことだけに意識が集中しているときは良かったが、セックスに思いめぐらすとそれだけで濡れ、細胞が歓喜をあげた。
「わかりました。身体で払います。」と、喜びが隠せない。
「いさぎいいじゃないか。ま、ゆっくり食え」

 男はアンジャと名乗った。ヨウシャを抱けると知ってアンジャは途端に優しくなった。年齢はお兄さんとおじさんの間くらいだろうか。
「結婚、してない、のよね」
「ああ」
「だから、通りがかりの女を抱くの?」
「逆だ。抱くだけなら、通りがかりの女で十分だ」
「そう」
 ヨウシャはアンジャの心の暗闇に潜む淋しさを見たような気がした。
(わたしにはアクアロスがいる。身も心も溶け合ってしまえるほど愛し合っている彼がいる。けれど、この人には)
「どうして恋人を作らないの? 愛する人はいないの?」
 アンジャはしばしの沈黙の後、「うるさい」と叫んだ。
「なんだかんだ言って、俺を言いくるめて逃げようとしても無駄だ」
 アンジャはヨウシャを力任せに押し倒した。
「逃げないわよ。そんなつもりで言ったんじゃないの」
「だったら、何だ」
「もういいわ」
 アンジャの心に潜む暗い影を自分ごときが何とかできるわけなどないんだとヨウシャは思った。
「触って・・・」
 ヨウシャはアンジャの手を自分の中に導いた。スカートの中の下着に触らせる。
 布越しに触れただけなのに、そこはもうぐっしょりと濡れていた。その内側の秘肉から樹液が流れ出しているのが容易にわかる。
「あ、おい...おまえ」
「早く。早くいやらしいことして。わたしをこんなにして」
「なんだ、根っからの淫乱なんじゃないか」
 本当はそうじゃないのよ。身体が勝手に反応するの、それも感度が日ごとに増していくわ。わたしの血なの、仕方がないのよ。そうヨウシャは言いたかったけれど、男の指がヨウシャに入ったり出たりしながらかき回すと、歓喜のうめき声しか出てこない。
「あん、あん、あん」
 ヨウシャしか知らないアクアロスと違って、アンジャは手慣れていた。指だけでイカされてしまいそうだ。
「もう、もうダメダメ、ああ〜、あんあんあん」
「やかましい女だな。それとも、もうイキそうなのか?」
「ああ〜んんんん、すごいすごい。どうしてそんなに上手なの?」
 男の指技が熟達しているのも当然だった。通りすがりの女に次々手をかけようというのだ。中にはヨウシャのようにすぐにその気になるのもいるが、がんこに拒む女もいる。そんな時はまず無理矢理襲いかかり、指で攻撃する。処女でも、操を立てる相手がいる女でも、この指でその気にさせるのだ。心が拒否をしてもアンジャの指で魔法にかかった肉体は「いや、やめて」から「もういいや」になり、「もっともっと」になる。
 ここまでくればあとはゆっくりセックスを楽しめばいい。
 アンジャはいったん指を抜き、その手を優しくヨウシャの顎に添えた。自分の愛液が顎を濡らしますますいやらしい気持ちになるヨウシャ。
 顎に添えた指でヨウシャの顔を少し上向かせたアンジャは、唇を重ねてきた。
 アンジャは肉厚の唇でヨウシャのリップを挟むように掴む。そしてアンジャの舌先はヨウシャの唇を左から右、右から左と嘗めてゆく。
 触れるか触れないか、くすぐったいほどのわずかの嘗め方だったのが徐々に密着度を増し、やがて唾液でべちゃべちゃにしながら舌全体を使ってネットリとなでつけてくる。
 ヨウシャの口は自然に開き、男の舌を受け入れた。
「ああ、溶ろけちゃうよう」
 覚えたばかりの快感をむさぼりあっていたアクアロスとのセックス。でも、でも、この男は、こんなにもわたしをフワフワさせてくれる。
 執拗に歯茎の表裏を愛撫してくる。乳房もクリトリスもトロトロのフワフワにさせられていた。片方の手で服の上から乳房をぎゅっと掴まれ、もう片方の手は服の裾から差し入れられて直接乳首を弄んでいた。キュと摘んだ乳首をねじられるのとぎゅうっと力を込めてオッパイを揉まれるのが不規則にやってくる。ショーツはいつの間にかずりおろされていて、股間にはアンジャの膝があてがわれていた。大きく小さく繰り返しクリトリスを膝で圧迫される。
 身体の4カ所から同時に湧き上がる快感が全身を駆けめぐり、わけがわからなくなりそうだ。
 細胞のひとつひとつが歓喜の声を上げる。ただ一カ所、穴の奥だけが「ここも、ここも」と男を求めていた。
 激しく突いて欲しい!
「ああ、はああん、あんん、もう、入れて、お願い、入れて」
 声を振り絞って訴える。
「じゃあ、そこに手を突け」と言って、男は井戸の縁を指さした。
「で、おしりを突き出すんだ」
 ヨウシャが言われたとおりにすると、アンジャは膝を落とし、割れ目に顔を近づけた。また嘗める。肛門からクリトリスまで、何度も何度も往復する。徐々に圧迫度を増していくのはキスの時と同じだ。
 アンジャの唾液とヨウシャから滴るラブジュースが太股を伝わって流れる。
 アクアロスとの愛を確かめるセックスとは違う。ただひたすら快感の虜になっていく自分に、また興奮と欲情が増していく。
 おしゃぶりを終えた男はいよいよ下半身を空気にさらした。自分のペニスをヨウシャの股に添える。
 ヨウシャが下を向くと自分のお腹の下にどす黒く太いペニスが見えた。
 男は挿入しようとせず、ただ足の間にあてがっているだけだった。
 ペニス全体を使って、ヨウシャのいやらしい部分を前後にマッサージする。
「いや、もういや。早く入れて欲しいの」
 ぐんぐん上り詰めていくのに、身体の奥の中心だけがまだ飢えていて、「何もかもわからなくてどうでもよくてただとにかくもだえまくる」というところに達することがわずかに出来ない。
「そんなに欲しいか?」
「欲しい欲しい。お願い、ああんああん、もう、意地悪しないで、中に入って、ぐちゃぐちゃにしてえ〜〜」
「わかった。そのかわり今晩泊まって行くんだな。女を抱くのは久しぶりだからな。たっぷり味あわせてもらうぞ」
 先を急がねばならないヨウシャにとって辛い条件だった。
 でも、一晩中快感に酔いしれることが出来る。期待にゾクゾクした。
「いいわ」
 ヨウシャの返答を聞くと男は歓喜の声を上げ、はち切れんばかりのペニスをズブリとヨウシャに突き入れた。
 強く弱く、大きく細かく、何度も繰り返しアンジャはヨウシャの中を行き来した。ぐっちゃんぐっちゃんと愛液がその度に音を立てる。
 時々アンジャは先端部をヨウシャの子宮口にあてがい、ピクピクとペニスを小刻みに動かした。
 宙に舞うような錯覚と身体がとろけるような感覚で意識が遠くなる。
 ヨウシャは幾度も上り詰めた。そして、失神した。

 アンジャの住む小屋は広くもなければ贅沢な調度品もない。質実剛健、実用本位。
 部屋はひとつだけ。入り口と反対側に置かれたベッドにヨウシャは寝かされていた。部屋の中央には木の切り株を利用したテーブル。何品かの料理が並べられていた。
「目が覚めたか。ちょうどいい。食事が出来たところだ。食べるがいい」
 体を許し、泊まることにも了解したヨウシャに対して、アンジャは優しかった。時間だから単に夕食を出してやる、という風情は彼から感じられない。精一杯もてなしているという印象を受けるのだ。
 乾燥食料と水で空腹を満たし、日が暮れれば野宿をする。厳しい旅を覚悟していたヨウシャにとって一夜の宿と温かい食事は嬉しい。身体と引き替えだが、セックス大好きだから苦にならない。
 抱かせてあげるから今夜泊めて、ご飯も食べさせてね。
 この先この手が使えるんじゃないだろうか。
 だがヨウシャは自らその手法を否定した。母の話では「時間がない」のだという。
 日に日にセックスに対してどん欲になり快感が深まり、やがてはセックスだけのために生きるようになってしまう。しかも、性交を繰り返す度にそれはどんどん進行するのだ。どの段階でセックス狂いになってしまうのか、ヨウシャにもわからない。その前にアスワンの王子と交わらなくてはならない。とにかく出来るだけ急がなくては。
「どうした。何を考えている」
「ううん、優しいんだなって」
「俺は優しくはない。客に対して当然のことをしてるまでだ。それにお前は客であって同時に性欲のはけ口だ。大切な女だ」
 性欲のはけ口と大切な女。相反する事を言われたような気がした。しかし原野で男ひとり暮らす身にあれば、理屈としては通っているのかも知れない。
「ねえ、どうして結婚しないの? 好きな人はいないの?」
「またその話か。いいだろう。話してやろう。俺は一度は結婚した。だが別れた。別れさせられたんだ。いつまでも子供が出来なかった。俺は種なしだ。それならヤリ放題女をいたぶってやろうと思ったわけだ」
「種なしって、でも愛し合っていたんでしょう?」
「婿養子だった。いわゆる名家に入ったんだ。その家には息子がいなかった。跡継ぎを作れなければ俺は用なしだ」
「でも、奥さんは....」
「いいか、名家というのは当事者同士の気持ちより、家が優先されるんだ。妻はなんの疑問も持たなかった。愛し合ってはいた。けどな、妻は小さい頃からそういう教育を受けていた」
「そう。何だか悲しい話ね」
「そのかわり俺はここで何人の女とでも好きなだけやれる。お前のようないい奴にも会える」
「え? わたしって、いいヤツ?」
「ああ、いいヤツだ」

 食事を終えて、次にヨウシャが要求されたのはオナニーショーだった。
 アンジャは客を迎える気のいい主人から、女を好きなように扱うスケベおやじに変貌した。
「これを使え」
 渡されたのは一本の棒。先端部がきのこの傘のように広がっている。その広がりは男性器よりもずっと大きい。
 棒の途中に鍔がついている。刀のような鍔ではなく長方形だ。しかも長方形はその両端が先端部に向かって軽くカーブしており、おまけに先端部側にはでこぼこが付けられている。
 ヨウシャはこの棒の利用方法がおおよそ理解できた。
 アソコに突っ込んでぐりぐりやるのだ。ちょうど長方形がアナルからクリまでをカバーする形になり、デコボコが秘所を刺激する。
「さあ、やるんだ」
「でも。...」
 遊び半分で指を入れたことはあった。彼のも、アンジャのも受け入れた。でも、こんなに大きいものを入れたことはない。
(こわれちゃう)
「こわいか?」
 ヨウシャはこくりと頷いた。
 アンジャはニヤリと笑った。
「ならば、俺が入れてやろう」
 鳥肌が立つ。恐怖による鳥肌だった。
「ベッドにあがって壁にもたれるんだ」
 ヨウシャは言われるままにした。男の声の響きに圧倒され、拒否できなかった。
「膝を曲げ手足を開くんだ。もう少し腰を前へ。そう、それでアソコが見えるだろう。よく見てろ」
 アンジャはオナニーの木の先端部分をヨウシャの性器にあてがった。上下左右に細かく動かしながらゆっくりと挿入する。
 ズズッという感じで、キノコの傘はヨウシャに食い込んでいく。
「ああ!」
 物体がヴァギナの中を掻き広げて進んでくる。
 ヨウシャの目に映るキノコは不思議なほど自然に体内に飲み込まれた。
(入った。あんなのが入っちゃった。)
 お腹の中で異物が快感をまき散らしながらさらに奥へ奥へと来る感覚が、ヨウシャを異常な高揚感に導いた。
 わたしって、すごいかもしれない。すごいかもしれない。
 実際はお腹の下の方、ごく一部に棒が差し込まれたに過ぎないのに、喉元まで突き上げられているような気になってくる。
 しかも鍔の部分が感じるところ全体を包み込むようになっている。
 小刻みに動かすと、男性器とはまた違った刺激がこみ上げてきて、棒を動かす手がどんどん大胆になってくる。
 自らが動かす手で、あへぇ、っと声がこみ上げてくる。
「いい、いい。すごくいいぞ」
 アンジャはヨウシャのもだえ狂う姿を見て満足気だ。
 無我夢中だったヨウシャは、アンジャに声をかけられて「見られている」ことを意識した。こみ上げる羞恥心がさらなる興奮を呼び、一瞬の硬直の後、長い倦怠感がゆったりとヨウシャを包み込んだ。
 こんな深くて不思議なイキかたは初めてだった。
 ヨウシャは母が言っていたことを思い出す。日に日に高く昇り詰めるようになる、と。
 棒をアソコに突っ込んだまま呆然としているヨウシャにアンジャは近づき「今度は俺だ」と、言った。アンジャは棒をゆっくりと引き抜く。
 さっき全身を快感が駆け抜けたばかりなのに、キノコが身体の中で動くとまた感じてくる。
 棒が身体から抜き取られたときには、ヨウシャはまた興奮で身体が火照っていた。

 アンジャとヨウシャの長くて淫靡で温かい夜が始まった。
 アンジャの指と舌がゆっくりとヨウシャの身体を這い回る。ヨウシャは一気に昇り詰める感覚ではなく、イカないけれどもねっとりと気持ちよくフワフワ漂うような快感を延々と享受した。
 時にアンジャは指と舌だけでなく、身体全体を使って愛撫する。お腹と胸を密着させて肌と肌をこすり合わすのだ。
 ただ激しく求め合い熱く燃えたアクアロスとのセックスとは違う。セックスを楽しむ、とか、味わう、とかいう表現がぴったりくる。
 ダラダラと股間からラブジュースを、口からあえぎ声と唾液を出しながら、いつしかヨウシャは眠ってしまった。もうイかなかった。
 目が覚めると既に夜が明けており、温かいハーブティーをアンジャはいれてくれた。
「長い旅なのか?」
「うん、多分」
「これを持って行け」
 アンジャはヨウシャに鍔の突いたキノコ頭の棒を手渡した。
「くれるの?」
「ああ、持って行け」
「ありがとう」
 ペニスでは決してあり得ない大きさ、指や掌では期待できない長方形の鍔によるマッサージ。あの恍惚がこれっきりになるのは実はヨウシャは残念でならなかった。
 これで好きなときにアレでオナニーが出来る。想像しただけでヴァギナとその周辺がピクピクしてくる。
「お前ははっきり言って淫乱だ。誘われたら誰とでも寝るだろう?」
「多分、そう思う」と答えるヨウシャの表情は、「淫乱」とか「誰とでも寝る」などというフレーズとは全く縁のない無邪気な笑顔だった。
「男と寝るなとは言わないが、性欲に任せて相手を選ばないのはダメだ。我慢できないときはこの木を使え」
 自分が普段やっていることは棚に上げて説教をするアンジャが、なんとなくおかしかった。


 

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