不倫の味  by 菜子 その4





 

 過去に一度だけ会社の既婚者と酔った勢いでセックスしてしまったことがある。それから気まずくて何度も辞めようと思ったし好き避けしてしまったものの、時間が経つにつれてセックスする前より親しくなることができた。
 仕事中(午前1回午後1回)30分ほど姿くらましたり、いつでもいっしょに行動してたり、何気に髪触りあってたり、ふたりしかわからない話題が増えたり、相合傘してたり‥‥好きで好きで休日が辛くて、彼を想うとカラダが疼いてくる。最近では飲みの席になると必ずセックスの話になり、いつかこうなるとはお互いわかっていたように思う。

 そんなある日、約束をドタキャンされてしまい憤慨メールを彼に送ったところ、偶然仕事が上がってこれから帰るところだったらしく、飯ぐらいなら付き合うとのこと。
 ラッキー♪ と思い、焼酎片手に食事を。そこでエロトークになったのがまずかったのか(苦笑)おたがい結構悶々としてしまって。どうしたって半年前の記憶が甦ってきてしまって‥‥家では仕事の関係で擦れ違いばかりだしお小遣い制でいっつも金欠だしレスだし煙草も吸わせてもらえない彼に同情したのかもしれない。あれから何度も彼はできたけど、どこかでこの人を忘れられなかったのかもしれない。あれこれ考えながら支払いをして外に出ると、気持ちよく酔ってしまい彼にもたれかかるとやさしく肩を抱きよせてくれて。

「どうする?」
「‥‥どうしたい?」
「行くか?」
「‥‥行こうか」っ海  ずっとこの瞬間を待っていたのかもしれない。
 ホテルの階段を手をつなぎながら昇って。
 人に見られたら、なんて意識はもう遥かどこかへ飛んでいた。だんだんと酔いが冷めていくにつれて冷静になってきて、ああ今回は勢いじゃないんだなと納得してた。

 ベッドに腰掛けてる彼をそっと抱き締めると嬉しそうに顔を胸に埋めてきて、何ともいえないスリルと奥さんに対する勝利感みたいなものが込み上げてくる。髪の毛を梳いてあげながらキス。はじめは唇をなぞるように。徐々に歯茎を舌でなぞりながら舌と舌を熱く絡ませていくうちに息が荒くなってきて‥‥
「風呂はどうする?」という彼の声も遠くに聞こえるぐらい余裕なくて。
「時間がもったいないから」と云いながら器用にネクタイを外し、Yシャツのボタンをひとつひとつ外し、耳たぶから頬のラインを丹念に舐めまわすと聞き慣れた彼の笑い声が聞こえてくる。
 嬉しくなってきて乳首を口に含み舌で転がすと、喘ぎはじめきた。男の喘ぎ声って大好き。
 感じてくれてるんだな、って実感できるからもっと喘がせたくなる。
 いつの間にか菜子もブラを剥ぎ取られ、荒々しく胸を揉まれるとついつい声が出てしまう。もうマンコは洪水状態。

「何でもう濡れてんだよ‥‥やらしい女だな‥」
 羽交い締めにされて乳首を揉まれながらクリをいじめてきた。
「い‥やぁ‥‥っ」
「嫌なら止めてもいいよ?」
 いじわるにも手の動きを止めてしまう彼。
 いじってほしくて勝手に動き出す腰の動きをたのしそうに眺めてる。こんな時自分ってMだなーって思う(笑)

 キスでおねだりして、愛液が太股を伝う中、グショグショなマンコをかきまぜてもらった。好きな人に指マンされてるって状況だけでもう幸せすぎて、すぐイっちゃった。
「相変わらず敏感だな‥」
 なんてからかわれちゃったけど。
 30を過ぎてお腹も出てきたし、肌もきれいじゃないし、勃起力も落ちてるし、そんなテクも素晴らしいわけじゃないのにこんなにも惚れちゃってる自分が可笑しくて思わず笑みがこぼれてくる。

「何笑ってんだよー?」
 と抱き締めらながら笑いあう。指を2本入れられたままお尻を彼の顔のほうへ向けながら手を使わないでフェラすることに。太股を舌の裏側でなぞりあげ、袋を口に含みながらきゅっきゅっと転がすと太股がビクビクしてくる。
 もっと感じてほしくて今度は裏側をゆっくりベロン、と舐めあげ、先端にそっとキス。だんだん先走りが激しくなってきたのでわざとジュパジュパ音をたててストロークしていると、
「いい音出すな‥‥さすが百戦錬磨の菜子さん」
と茶化してきた(笑)こういう楽しいセックスって大好き。やっぱりリラックスしないと快感も得られないしね。

 でも絶えず菜子も攻められてるわけで、また勝手に腰が踊りだしてしまう。
「あれー? フェラしてるだけなのに何で腰が動いちゃうのかな?」
なんてまた意地悪云われちゃって‥‥くやしいからまだ半勃ちな状態なまま上に跨がって犯すことに(笑)

「犯すなよー」といいつつも重心を前に傾けて口も犯してあげると生意気なことも言えなくなってきた様子。下から突かれて、そのたび胸がユサユサ揺れて、揉みしだかれてどんどん快感のスピードが高まってくる。次は弓なりになって後ろ手を付きながら激しくグラインド。ピチャピチャと接合部分からいやらしい音がしてきて‥‥
「いやらしい音してるね‥は‥‥ぁ気持ちいい?」
「誰が出してる音だと思う?‥‥セックス好きだろ?」
「や‥あぁ、云わないで‥‥好き‥セックス大好き」
「こんなに濡らしちゃってるよ‥最高にエッチな顔しちゃって‥‥こうしてやる」

 いきなり激しく下から突き上げられて、そのスピードに付いてくのに精一杯で‥意識を解放した途端ビクビクっとカラダが震えてきて震えるたびにイっちゃった。

 笑いながら「風呂‥行くか?」って手を差し伸べてくれていっしょにお風呂へ。
 お風呂でも指マンされてイっちゃって、「何だよ指だけでそんなイけるんなら俺いらないじゃん!」なんてかわいくいじけられちゃってますます愛おしくなった。
 会社休んで露天風呂付き和室のある旅館にでも泊まりにいくかーなんて話しながら、後ろからぎゅっと抱き締めてもらうと何とも居心地がよくって。

 無情にも時間はどんどん過ぎていってしまって、残り15分だとわかるなりまたもやマンコに手が(笑)
「風呂入ったのにさっきより濡れてる!」
 自分で触ってみるとなるほど、確かに濡れまくってる。
「オナニーしてみて。見てるから」
 そういえば半年前も見せたなーなんて思いながらも花びらを丁寧に開いて、奥まで見えるように見せつけてあげた。クリに触れるたびくちゅくちゅって音が部屋に響いて、中に指を抜き差しするたびビクビク感じちゃって、泣きそうな顔で彼を見つめると
「欲しい?」
とさっきみたいないじわるな顔で言ってくる。
「入れてくれないの?」
「何が欲しいのか言ってごらん?」
「‥‥チンコ入れて‥いっぱい入れて‥」
「わかった。あげるよ」

 あっという間に組み敷かれ足を広げさせられると、ものすごく硬い彼が押し入ってくる。自分の中が彼でいっぱいに満たされるのが嬉しくってぎゅっと締めると、
「‥‥気持ちいいよ‥っ、めちゃめちゃ締まる‥悪ぃ、イきそう」
息を弾ませながらぶつかってくる彼の首に手を回しながら、正常位なのにいつのまにかガンガンこっちも腰動かしててた。

「はあ、‥ああん、ああ、‥イって‥いいの?イくよ、イっちゃうよ!」
「いいよ、もっと声出していいよ。いっぱいイっていいよ」
「いや、はっ、っ‥‥ああぁ、イイ‥っっ!!」
 彼の頭を抱きながら最後は外出ししてもらいました。

 動いてないのに中が動いてきて、気持ちよすぎて何度も中出ししそうになったなんて言われて恥ずかしかった~~。
 最終まであと10分ってことで駆け足で駅へ。
 翌日会社で顔をあわせて、ちょっと照れくさかったな。

 セフレとも違うけど、不倫相手とも違うのかもしれないけど、大事な男性として、尊敬できる兄貴分として、これからも大切に付き合いたいと思う。
(メールによる体験告白より 2003/04/20)

 
 世間の大方のサラリーマン男性(既婚)なんて、ちょっと妻と違う女の子を抱こうと思っても、ホテル代さえままならぬ程度の小遣いしかない。これが現実です。金回りの良さや外見のカッコ良さではなく、「大事な男性として、尊敬できる兄貴分として」というのなら、菜子さんにとって彼は本当に大切な人なのだと思います。

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