銀座のホステスと(2)  by AG その6





 





 エレベーターが10階で止まり扉がひらくと、そのまま駆けるようにして部屋のドアを開け、玄関口で靴も脱がずにお互いの舌を吸いあっていました。
「ああン……もう……、だから和服ってきらい……ねえ、手伝って……」
 促されるまま着物を脱ぐのを手伝いながら、僕はお姉さんの奴隷になったような倒錯した気分になっていました。帯を床に落として着物を脱ぎ捨て、最後の一枚をはだけると、黒いビキニパンティだけを残した小麦色の裸身がチラつくのが見え、由香さんは僕の粘っこい視線に気づくと壁に背を預けながら小悪魔っぽい笑みを浮かべました。

 僕はもう、たまらずお姉さんの身体にふるいついていきました。
「……はあああンッ!!」
 由香さんのからだにからみつくように両手で美尻を揉みたて首筋に吸いついていきました。
「……ああンッ……いやンッ!」
 甘いコロンの香りのなかにかすかに汗の匂いがして、たまらないオトナの女のフェロモンを発散していました。

 僕は熱にうかされたようにお姉さんのからだを壁に押さえつけて、ねっとりと舌をつかって汗ばんだ肌を味わっていきます。
「……あッ……あッ……あッ……!」
 僕の舌と指が蠢くたびに、由香さんはゾクッゾクッとからだを反応させては悩ましく身をくねらせました。

 そのとき、由香さんのセカンドバッグから携帯の鳴り響く音がきこえました。
 ちょっと待って、と由香さんは僕の体を押し返してハンドバッグに駆け寄っていきます。急に冷や水を浴びせられたような気分になり、僕は電話の相手を怒鳴りつけてやりたいのと同時に、ほかに相手がいるのかと不安な気持ちになりました。
「……ああ、Sさん? ごめんなさい、今夜はお先に失礼してしまって……」
 由香さんはちらりとこちらを振り向いて悪戯っぽく笑いかけました。
「Eくんもタクシーで帰ったんじゃないかな……。つながんない? ……じゃあ帰ったんだよ」

 僕は内心ほっとするのと同時に、長襦袢一枚の由香さんの後姿を見ているうちに吸い寄せられるように背後から近付いていきました。
 気づかれないように、そうっと長襦袢のなかにもぐりこんでいきます。
「……え? ……今度デートですか? ……きゃああッ!」
 お尻に鼻先をうずめていくと、由香さんは腰を跳ね上げさせて悲鳴をあげました。
「……ごめんなさい……。うちペットのワンちゃんがいて……あン、こらッ……!」

 僕はもう我慢できませんでした。振り向いた由香さんの腰にすがりつくようにパンティの奥に鼻先をうずめていきます。
 あのなんともいえない甘酸っぱい濃厚な匂い。見上げると由香さんも興奮してしまったらしく、僕の髪を撫でながら悩ましげに腰をくねらせて、携帯を耳にあてたままベッドルームに誘いました。

「……Sさんごめんなさい、今夜はけっこう疲れちゃってて……」
 黒のTバックパンティだけを残した裸身を見せつけるようにしてベッドに腰かける由香さん。パールピンクのペディキュアが塗られた爪先が誘うように揺れていました。
「……だからごめんなさい、そろそろ……いやあああンッ!」
 足の指のあいだに鼻先をうずめていくと由香さんは携帯を取り落として悲鳴を上げました。

 和服の足袋のなかでムレムレになった汗の匂いと、由香さんの甘い悲鳴で、僕は情けないことにパンツの中で軽く射精してしまいした。それでも身をくねらせて逃げようとする由香さんを横目で眺めながら、しつこく由香さんの両足の指を舐めては吸いたてました。
 Sさんが電話の向こうでどこまで聞いていたのかは知りませんが、後日会社で問いただされたのは言うまでもありません。

 僕はタコのように由香さんの汗ばんだ肌に吸いついて離れませんでした。
「……うッ……はああン……。Eくん……、舐めかた……、すごいエッチ……」
 いちど射精してしまったのがかえってよかったのか、僕は舐めたくてたまらなかった由香さんの身体の隅々をじっくりと舌で味わっていきました。由香さんはとにかく舐められるのが大好きらしく、腋の下や足の指のあいだなど、汗をかきやすいところが特にたまらないようでした。

「……すごいの……。こんなに舐められたことない……。もうだめ……もう……」
 パンティを丸め取られるころになると、由香さんは腰をくねらせながら僕の舌が待ちきれないようでした。由香さんのあそこはパイパンで、甘酸っぱい濃厚な匂いがしてすでに濡れきっていました。僕は熱にうかされたようになりながら涎をたらして太股の奥に吸いついていきました。
「……はああああンッ!!」
 由香さんの口から、たまらない悲鳴がきこえました。

「……ねえEくん……。今日からわたしのものになりなさい。……わかった?……」
 濃厚な蜜の匂いでビンビンになったものを指でもてあそばれながら、僕は犬のようにこくんこくんと頷くばかりでした。
「……足の匂いで興奮して出しちゃうなんて……、ほんとにヘンタイね……」
 キスができるほどに顔を寄せて、甘い息の匂いをふりまきながら囁く由香さん。お姉さんにヘンタイ呼ばわりされることで、よけいに興奮してしまいます。

「……でもすごい……こんなにビンビンになって……そりかえってんじゃん……。……ああン、もう……ねえEくん……うしろからきて……」
 僕はまるで催眠術にかかったように、由香さんのからだにうしろから抱きついていきました。先端が粘膜にこすれるたびに僕と由香さんはお互いに声が漏れるのをとめられませんでした。

 結局それから明け方ちかくまで、僕は由香さんを悦ばせました。
 たまたま趣味でボクシングをしていたせいで、勃起力とスタミナはわりとあるほうでしたが、由香さんが相手だと何度でも勃起してしまうみたいでした。
「……もうだめ……もう死んじゃう……狂っちゃう……」
 言いながら子宮をキュッキュッとしめつけて、いやらしく尻をふりたてて喘ぐ由香さんの色香はほんとうにたまりませんでした。由香さんも、僕の舐めフェチ、匂いフェチの変態っぽい性癖と、セックスの精力に完全に発情してしまったようでした。
 2時間ちかく延々とあそこを舐めまくっておしっこが洩れそうになったときがあり、そのときはバスルームであそこに吸いついたまま由香さんのおしっこを飲みました。あの時の由香さんの興奮ぶりはほんとうにすごくて、そのあと由香さんのなかに思いっきり射精してしまいました。

「……Eくん……好き……。だいすきなの……、セックスたまんないの……」
 銀座のホステスにベッドで甘えっぽく愛を囁かれるのはたまらない優越感でした。このからだを独占するために何人ものオヤジたちが金をつぎ込んでいるのだと思うと自然に笑いがこみ上げてくるのを抑えられませんでした。

 由香さんとは2年近く関係を続けました。
 由香さんが30歳になるころに、結婚の話と僕の浮気が原因で別れることになりましたが、嫌な別れかたではありませんでした。
「もうあんなにセックスすることはないかなあ……」と寂しげに呟く由香さんに、「こんな美人、誰もほっとかないよ」と告げたときの彼女の笑顔が今でも忘れられません。
(心に残る最高のセックス掲示板より 2010年12月24日)

 
 誰もが落とそうとして落ちない銀座のホステス。その彼女を夢中にさせ、セックスでメロメロにしてしまうなんて、AGさんの「笑いがとまらない」気持ち、よ〜くわかりますよ。でも、こういう女性って、お金をつぎ込んで落とそうとしたって、落ちるもんじゃないですよね。たかられるだけたかられて、はい、おしまい。男と女として、感じあうことのできる人だけが、彼女を落とすことができる……、って、実はこれ、相手が銀座のホステスであろうと、一般人であろうと、同じ理屈だよね。それはともかく、AGさん、文章上手だなあ。

 
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