林檎 by 雅





 



 一年前の事ですが、私の初キスの思い出(?)です。相手の男の子は現在、私の彼氏です。

 一年前、彼とはただの友達で複数人数でたまに遊ぶ、という感じでした。彼は結構女好きで結構モテるタイプでしたが、何事にも素っ気無い私に大しては男友達の様な扱いで、私も彼を友達以上に考えた事はありませんでした。

 その日も学校から大人数で帰っていました。
 調子ノリの彼はいつもの様に女の子にちょっかいを出していました。(膝カックン・スカート捲り等(・A・;))
 私もそんな事をされていたのですが無視してずっと友達と話しているのでつまらなくなったんでしょう。

 彼はしばらく静かになりました。が、跳び蹴りをされました。でもこの跳び蹴りは過去に二回されていて、柔らかいというか……、痛くないんです。(決してMではありませんよ!!)
 でも痛く無くとも結構響く……。
 この時はとりあえず睨みました(自慢じゃないけど眼力強いです)。

 それを見てた男の子達が彼を指さしてゲラゲラ笑いながら、「こいつ、お前のこと好きなんだよ! これがこいつの愛情表現! こいつサルみたいなヤツだから!」と言うのです。
 私は曖昧に笑ってまた友達と話しました。

 私の学校では皆ほとんど電車通学でばらばらの電車に乗って帰ります。バスに乗って帰る子も居ました。
 そんな中、偶々私と彼が二人だけ一緒の電車でした。
「ついてこないで」と言っても、一緒の車両に乗られてしまい、しかも満員電車だったので車両を移ることも出来ませんでした。

 何となく男の子が苦手な私……。
 何気に緊張してしまいました。

 どうでもいい事を話していたら、もうすぐ私の降りる駅。
 彼が急にメアドを教えて、と言ってきましたがその日私は携帯を忘れていました。けー番なら覚えてるはずなのですが、ど忘れ(汗。。
「ごめん覚えてない」と言うと彼が鞄の中から付箋を引っ張り出してきました。そしてそこに自分のケー番を書いて私の手に付箋を貼りました。

 その時にはすでに電車の扉が開いていました。
 私の降りる駅です。
「電話しろってこと?!」と聞くと、「そーゆーこと。」と席に座りながら一言。
 ホームに発車のベルが鳴り出し、まもなく扉が閉まる事を知らせるアナウンスが流れ始め、私は慌てて電車を飛び降りました。

 そしてふと後ろを向くと、次の駅で降りるはずの彼が私の目の前に。
「え?!! なんで居るの?」と聞くと、その場で軽くチュッとキスされて「お前が電話してくれそうになかったから」と言って、私の頭をクシュクシュしました。

 私は顔を真っ赤に赤面させたまま、「そっ! それとことは……、どっぉゆー関係があ…あんの!!」
 噛み噛みで言うと、彼はまさにプレイボーイという顔で、「好きだから?」とサラッと言ってどっかに行ってしまいました。

 私は結局その日のうちに電話しませんでした。
 翌日の朝、登校の時にしました。
「おはョ……。えッっとお、じゃ。学校で」と一方的に切ってしまいましたが…(笑。

 学校ではしばらく其のネタでおちょくられました。それから一週間後に付き合い始めました。遊びみたいな付き合いですけど。
 今楽しけりゃいーかなーとか……。その彼とのエッチ体験談もいずれ載せますね。
(ファーストキスの思い出体験告白掲示板より 2009年8月2日 女性 15歳 O型)

 
 その彼氏、上手というか、もともとそういう才能が備わっているのか、付箋を使ったり、突然のキスをしたり、そのまま告白したり、なかなかやりますねえ。ま、現在もそのおかげでカレカノなんだし、ご本人がおっしゃっているように、このあと、エッチ体験報告も、期待して待っていますよ。ところで、タイトルの林檎って、どういう意味なんでしょう? ファーストキスの味、かな?

 
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