破局(1)  by もも その11





 

 仕事と学校の両立……。彼との時間を作るため寝る間を惜しんで……。
 まさにその言葉通りに出来る事をやりきる。ただ彼に会いたい一心で……。

 当然夏休みもありますから…、…週に一度の休みは殆んど彼との時間でした。だから夏休みが終わった後は寂しくて……。でも、中々時間が作れない。
 もちろん彼にもお母さんにも連絡はしてました。たまにお母さんからも連絡を頂くようになって……。
 買い物や食事に誘って頂いたのですが、何しろ時間が中々つくれなくて、何度かお断りを……。

 11月のある日、たまらなくなった私は午後からの授業(15:00〜18:00)を休んで、彼に連絡もせずにバスに飛び乗りました。
 翌日は私の休みの日!
 今日はお泊まりして、と……三時間バスに揺られながら……。
 今夜は何を作ろう……。ドキドキしながらの三時間……。
 五時過ぎにバス停につき、何度も通ったアパートまでの道……。

 ドアの前に立って合鍵を挿し込もうとすると、ドアの向うから、女性の声。
「…えっ…」
 ……話し声じゃない!! 抱かれて喜ぶ女性の声……。
 震える手。
 ……カチャ……。
 ドアを開けると……、耳を塞ぎたくなる声がストレートに聞こえる。思わず、ソッとドアを締め……。

 気がつくとバス停のベンチに座ってた。
 涙が溢れて、止められなくて。
「ばちがあたったんや」そう思った……。
 私は彼に……、K君にこんな辛い思いをさせる過ちをしたんや……。
 私自身はMさんに抱かれた事を後悔はしていなかった。好きだったから……。

 不倫の……、浮気の、ばちがあたったんや。K君は知らない……。でも神様は見てる。
 私は何も言わずに黙っておこうと決めました。K君はきっと私の所に帰ってくる!! そう思いました。

 今日は帰ろう。
 一人でいるのはつらいし、変な事を考える。でも、誰かと一緒にいるのもしんどい……。
 バスを待つ間に出した答えは「そのまま実家へ帰ろう」でした。

 彼の相手が元彼女だと……、私の前に付き合ってたE子だとわかるのにはそう日はかかりませんでした。
 友達から連絡が「もも…知ってた?」
「何を?」
「E子がK君と同じ大学やったんやて……。気を付けや!!」
「なんで?」
「E子はずっとK君を好きだったらしいから。もも今は中々K君と会えらんやろ! 狙われてるで。ちゃんと捕まえときよ。この間Fちゃんが二人で歩いてるとこ見たって言うてたよ、もも、離したらあかんよ」
 そんな事を聞かされたら……。

 私は脱走するように学校をサボってバスに飛び乗り、彼のアパートに。
 こりもせず連絡なしで……。
 合鍵で部屋に入り……。
 中をチェックする私。ベッドに長い髪(私はシーツを洗ってベッドを綺麗にして帰ってましたから)、洗面所に歯ブラシが二本。私のとはちがうピアス、化粧品の小瓶。タンスの中、私の物が……、置場所かわってる……。
 彼はそんなの触らない……。
 泊まってるんや……。

 ベッドのシーツを捨て、掃除機をかける。ベッドの下からコンドームの袋。
 お風呂や洗面所やキッチンを磨く……。
 こんな事をしてる自分が嫌で……、泣きながら……、女性物は全て捨てました。

 冷凍庫の中はカラに……。捨てられたかな……。
 ご飯を炊いてる間に近くのスーパーへ、一人で……。
 気をとりなおし……、今夜何を作ろうかな……。K君と一緒に食べられる事を祈って……。

 買い物を終えまた彼の部屋へ。夕食準備をしてると、……カチャ……、帰ってきたK君。
「おかえりっ」
「えっ?? ……もも、お前何しよるん? 何でおるん?」
「何でって……会いたいから脱走してきた。……ゴメン……、迷惑やったら帰るっ!!」
「そんなこと言うてないやん。何でそんな言い方するんや?」
 彼の口調もキツクなってました。

「別に……。一緒に食べようと思って作ったけど……、帰る……。ゴメン……、今度は連絡してから来る……」
 泣きながら部屋を出て行こうとする私を抱きしめて、「もも、行くな……」と言うなり返事もさせず、口を塞ぐようにキスを……。
 涙と鼻水でボロボロの私。そのまま床の上で、抱かれました。

 ただ虚しくて、涙だけが止まらなくて……。
 あんなに私を大切にしてくれたK君……。もう、ダメかも……。

 無口になった私を気にする彼。
 結局、K君の所に泊まりましたが、抱かれる気にもなれず、それでも彼は求めてきます。
 拒みきれず結局は受け入れて……。自分が凄く嫌な女に思えて、眠れませんでした。

 早朝……、ベッドから抜け出し朝食の準備。洗濯をしようと洗濯機の蓋をあけたら、女性物の下着。
 呆然とする私……。
 えっ……、いつきたん?
 前の日に泊まった……? 干し忘れ……?
 普通、こんなん置く? わざと……?
 頭の中グチャグチャ……。ゴミ袋の中へ……。

 もう、来れないかな……。涙をこらえ肩を震わせながら……。

 ベッドから私を見るいつもの優しい目。私の様子がおかしい事に気がついたのか……、「もも、おいで……」手招きをします。
 この状況で抱かれる気にはなれない私は無視。
「お前、昨日からおかしいぞ!!」
「そんなことないよぉ」
「ほな、なんでこっち向けへんねん!! 俺と目を合わしたないんか」
 黙っていよう……、そう思ってたけど、話さないとあかん。そう思いました。

 ゴミ袋の中の女性物下着を出して、黙って彼に向き合いました。
「K君、ここに何回女の人泊めたん? 存在主張する忘れ物一杯あったよ」
「……」
「何で何も言うてくれらんの。泊めたんはE子やろ。同じ大学やねんてなぁ。浮気するならもっと上手にわからんようにしてよ!!」
 泣きながら訴えました……。

 彼は、「ゴメン……」と一言。
 その後、ゆっくりと言いにくそうに、私にそうなってしまった経過を話してくれました。
(メールによる体験告白より 2009年2月23日 )

 
 浮気の現場をモロに目撃。でも、自分の元に帰ってきてくれると信じて、その場は何も言わずにあとにして……。でも、再び訪れた彼の部屋に、浮気相手の痕跡が……。きっと彼は、ももさんから「行く」って連絡があってから、片付けようと思ってたのかもしれませんね。とはいえ、そうなってしまった経過を話してくれた、とのことですから、彼氏はももちゃんにちゃんと説明をして、そして許してもらって、2人の仲を続けたいと思っていたのかもしれませんね。

 
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