妻が女に成った記念の日  by 彼を憎めない





 

  妻が4年前心筋梗塞で意識不明になりそのまま他界してしまいました。
 倒れる前日「彼のこと許してあげて」それが最後の言葉でした。妻はセックスは淡白で人形のようでした。結婚初夜の京都の旅館で妻と初めて結ばれる時、「オシッコの出る穴にオシッコの出る棒を入れるのですか」変なことを言うのだと少し驚きました。挿入の時「痛いから止めて下さい」泣き声で訴えました。少し戸惑いましたが、男と女が結婚したらこれをしないと夫婦に成れないんだから、優しくするから我慢するように諭しました。僕が26歳妻23歳でした。処女と童貞だったので長くは持たず5分くらいで終わりました。

 そんな妻でしたが子供を二人出来それなりに幸せでした。何不自由の無い暮らしでしたが妻が40歳に成った時、我が家のふろに親友が入っていました。石鹸が無いから持って来てくれと風呂場から声がかかりました。
 妻が石鹸を届けに行ったとき親友の裸を見たそうです。そこまでは当たり前のことですが、その後、妻を抱こうとした時「彼のオチンチンすごく大きかったよ、あんなに大きいの入るのですか」不思議そうに言うので「一度だけなら僕以外と体験してもいいよ」
 会話はそこまでで妻と一つになりました。

 数日が経って彼にその事を話すと「一日デートさせてくれたら絶対誘惑してみせる」と言うので、好奇心もあって妻が受入れるか、どんなに変わって行くか興味が沸いてきました。
 二日後、妻を説得して彼と喫茶店でお茶でも飲んで送り出しました。彼の車が約束の時間に妻を迎えに来ました。
 妻が心なしか浮かれているように感じました。

 3時間後に二人は何事も無かったような顔で戻ってきました。
「どうでしたか」と尋ねると「お茶を飲んだだけ、親友の奥さんを抱けないよ」
 平然とそう言うので内心ほっと胸を撫で下ろしました。やっぱり彼は紳士だと改めて思い直しました。

 それから三日後妻が何処と無く浮き浮きしているので事情を尋ねると、あの日忘れていたネックレスを今朝の9時ころ届けに来るというので、寝室に盗聴用の録音機をセットして仕事に出かけました。
 夕方急いで帰宅して録音機を再生しました。妻は夕食の買出しに出かけると言うのでこの時こそチャンス。
 しばらくは無音か流れ10分位して車の止まる音。玄関のチャイムを拾っていました。

「この間はご馳走様でした。気持ちよかったよ、オチンチンをあんなにきつく締められ最高でした」
「主人は気がついていないのでこれからも何も無かったことにしましょうね」
「もう我慢が出来ない、早くベッドに」
「一度だけの約束よ」

「だからこの前何も無かったのでこれから一度だけ」
「あの日以来ここが変な感じで濡れてくるの」
「奥さんは名器ですよ。一度抱くと忘れられなくなるよ」
「貴方に抱かれて女の喜びと言うの初めて感じたわ」
「もう二人はあの日以来、他人ではないんだから、入れてもいいですね」

「大きいから充実感が有って本当に抱かれているって思うわ」
「もう僕の嫁さんだ、絶対離さない」
「主人には悪いけど、気持ちよくて貴方のこと好きに成ってしまったわ」

 激しい善がり声、いいわ、いくいく、もっと奥までなど初めて聞く妻の声、ライオンのような彼の雄たけびの後静かになった。

「また今度の僕の休みの日に来ます」そう言って彼は帰っていった。
 彼も妻も責められない。僕では与えられなかった喜びを彼から感じてしまった。
 40歳で本当の女に成った妻の記念日でした。
 あれから20年、妻と彼の関係が続いた。妻は幸せだったと思う。
(記念日のエッチ体験告白掲示板より 2008年7月10日)

 
 自分では満足させられない妻を、他の男に託す……。それで奥様が満足してくれれば、自分も満足……。そういう心境なのでしょうか。奥様の浮気は旦那さんにはバレていない、という前提になってはいたみたいですが、最後に「許してあげて」と言ったところを見ると、バレていることに奥様も気づいていたのでしょう。そうとわかっててお芝居を続けていたのは、旦那さんが黙認し、許してくれていると信じていたからでしょうね。

 
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